旅のアーカイヴス

オホーツク沿岸を行く  

湧網線 浜佐呂間駅9時49分発の湧網線・中湧別行き924Dに乗車。キハ22-321の単行。地元の人々の高らかな話し声が賑やかな車内では僕だけがよそ者だ。 列車は牛のいる牧場を見て、林の中を抜け、のんびり走る。どこの駅だったか、駅員の代わりにお婆さんが下車…

霧の根室本線〜客車鈍行441列車

札幌発釧路行きの夜行急行「まりも3号」。年老いたダークブルーの寝台車スハネ16−501の狭いベッドの上で目を覚まし、時計を見ると5時半を回っていた。 まもなく白糠に停車。今秋の廃止が決まった白糠線に別れを告げようと訪れる旅行者数人を降ろして、列車…

急行「八甲田」〜青函連絡船「大雪丸」

上野駅の13番線ホームには独特の雰囲気がある。行き止まり式の地平ホームの中でも一番端に位置し、頭上は高架ホームに覆われているため、いつも薄暗く、どこかヨーロッパのターミナル駅のようでもあるし、その仄暗いなかに列車が運んできた北国の空気が濃密…

急行「八甲田」

昭和57年3月20日、土曜日。今夜から1年ぶり2度目の北海道旅行に出かける。早めの夕食を済ませ、家を出た時、外は雨だった。 昨年は寝台特急「ゆうづる1号」での旅立ちだったが、今回は急行「八甲田」号である。「八甲田」を利用するのは3度目だが、上野…

鹿児島交通線

8月23日、吹上浜ユースホステルのお姉さんに車で日置駅まで送ってもらい、駅で加世田駅までの切符を買って、10時11分発の加世田行きに乗車。 ディーゼルカーは今日も激しく揺れながら、水田や森の中を走る。時折、東シナ海が見える。 相変わらず、どの駅にも…

宮之城線&鹿児島交通線

前日、霧島高源ユースホステルに泊まった僕は、この日(8月22日)、霧島神宮駅から日豊本線の急行「錦江1号」で隼人へ行き、肥薩線に乗り換えて栗野へ、さらに山野線で薩摩大口駅に12時21分に着いた。朝から青空がのぞいたかと思えば激しい雨になったりで、…

旅の終わりは急行「いいで」

昨日は南部縦貫鉄道に乗った後、青森に出て、20時35分発の急行「津軽4号」に乗車。奥羽本線経由で早朝5時49分に福島に到着。ここで下車。もう東京へ帰るだけなので、このまま乗っていれば、10時06分には上野に着くわけだが、それでは面白くない。 というわ…

南部縦貫鉄道

南部縦貫鉄道は青森県の野辺地と七戸を結ぶ20.9キロのローカル私鉄。東北旅行の最後に寄ってみた。 野辺地駅で七戸まで480円の切符を買い、改札を通る。 南部縦貫鉄道の乗り場は構内のはずれ、駅舎から一番遠いところにあり、そこへは国鉄の立派な跨線橋で東…

下北半島へ

宮古駅に近い末広館ユースホステルを6時過ぎに出発。相部屋なので、同室の人たちを起こさないように布団をたたみ、着替えを済ませ、荷物をまとめて出発の準備をしなければならず、大変だった。 こんなに早く出発したのは一日4往復しかない宮古線に乗るため…

釜石線~山田線~岩泉線

岩手県の花巻にいる。時刻は8時半過ぎ。天気は雨。これから9時03分発の釜石線釜石行きに乗って、三陸海岸に向かう。 花巻駅の1番ホームで待っていると、8時56分に釜石からの622Dが到着し、これが7分後に631Dとなって折り返す。 ほぼ満席の状態で花巻をあと…

奥羽本線445列車

東京・上野駅を前夜23時04分に発った奥羽・陸羽西線経由の酒田行き急行「出羽」は福島・山形県境の4つのスイッチバック駅が連続する峠道をノンストップで越え、未明の4時43分に米沢駅に到着した。ここで下車。 12両編成のディーゼルカーを見送り、ホームで…

常磐線客車鈍行221列車

小田急の始発電車で出発し、新宿から山手線で上野駅へ急ぐ。田端を過ぎたあたりで、上野5時30分発の郡山行き客車鈍行121列車が走っていくのが見えた(当時は東北線にも上野から1日3本の客車鈍行が出ていて、あとの2本は一ノ関行きと福島行きだった。いず…

日中線

上野を前夜23時49分に発った急行「ばんだい5号」は夜明け前の会津若松に5時ちょうどに到着した。中学校の友人F君との2人旅。ともに初めての夜行列車の旅でもあった。会津へやってきた理由は特になく、強いて言えば、東京発の周遊券で一番安いのが「福島・…