オリジナル・ラブ

ある程度のキャリアを重ね、さらなる音楽的探求を続けるアーティストにとって「初期の作品が好きです」などと言われるのはあまり嬉しいことではないかもしれない。
しかし、ミュージシャンの音楽的発展のベクトルとリスナーの音楽の好みの方向性が完全に一致することはむしろ珍しいことであるし、ミュージシャンの志向とリスナーの好みがある時点で交わったとしても、時とともに両者の間に隔たりが生じ、徐々に距離が開いていくことは普通のことだろう。
僕にとってオリジナル・ラブはまさにそんな存在で、実のところ、最近の作品はあまり聴いてもいない。
で、よく聴く作品というと、1995年に出たコンピレーションアルバム“SUMMER LOVE”だったりする。タイトル通り、夏向きのラブソング集で曲間にずっと波の音が聞こえるのがなんだかとてもいい。これからの季節にぴったり。かつて夏の旅の間、繰り返し聴いていた懐かしいアルバムでもある。

Summer Love

Summer Love