小島麻由美ライヴ

 先月に続いて渋谷クラブ・クアトロでの小島麻由美のライヴに行ってきた。ロックンロール・キャラバンと題したマンスリーライヴシリーズの3回目。
 今回の対バンは菊地成孔Quintet Live Dub。サックスの菊地さんのほかピアノ、ベース、ドラムというカルテットがステージで演奏し、そのサウンドを5人目のメンバー、パードン木村が電気的に加工して会場に響かせるというスタイル。だから菊地さんがサックスから口を離してもまだサックスの音が持続している、というようなことが起こるわけだ。僕はライヴにおいてはステージ上で発せられた音そのものを聴きたいという人間なのだが、そういうのは保守的だということになるのだろう。演奏そのものは純然たるジャズ。
 演奏を聴きながら、21世紀のジャズの可能性というものについて考える(いかん。演奏に集中していない)。これからジャズが何か新しいものを生み出せるのかどうか、ということについて。なんというか、ジャズの演奏を聴く時はいつも、初めて聴く曲(または演奏)でも、初めてという気がしないという既視感ならぬ既聴感を持つことがよくあるのだ。それは今回も同じだった。まぁ、今でも50〜60年代のジャズの巨人たちのCDが繰り返し再発される現状をみれば、リスナーもジャズの新しいスタイルなんて求めていないのかもしれないけれど。

 さてさて、約1時間の演奏が終わり、ステージの模様替えが終わり、小島さんのステージが始まったのが8時25分頃。今回のバックは塚本功(ギター)、長山雄治(ウッドベース)、Asa-Chang(ドラム)というギタートリオ編成。いきなりの「セシルカットブルース」からぐっと引き込まれたまま、1時間10分。個人的には「私の運命線」「ding ding(doo ron ron)」や越路吹雪の「ろくでなし」が聴けたのが嬉しかった。ただ、6時の開場から3時間半立ちっ放しはさすがに疲れる。オッサンだ。
 次回は8月26日、対バンは、つじあやのさん。