江戸五色不動尊めぐり

 目黒、目白といえば、山手線の駅にもある東京の地名ですが、都内にはほかに目赤、目青、目黄もあるのをご存知でしょうか。これらはいずれも不動尊の名前で、いわゆる五色不動が江戸の鎮護と天下泰平を願って徳川3代将軍・家光の時代に定められました。
 この五色とは宇宙を構成する五大要素を表わし、水=黒、火=赤、地=黄、風=白、空=青を意味するとか、東西南北中央の方角を表わすとか、諸説あるようですが、とにかく、現在も都内に五色の不動尊が伝わっています(目黄不動だけはニつの寺院に伝わっているため、五色で六ヵ所のお寺があります)。この六つのお寺を自転車を使って一日でめぐってみました。

 不動明王とは密教の中心仏である大日如来の化身とされ、火炎を背に、憤怒の形相をして、普通は右手に剣、左手に羂索(けんじゃく)という縄を持っています。その剣で邪悪なものを打ち砕き、縄で衆生を救いとるといいます。
 特に関東地方では古くから不動信仰が盛んで、現在は関東三十六不動尊霊場が定められています。