フィル・ミラー

 冷たい雨の降る中、新宿ピット・インで行なわれた英国カンタベリージャズロックを代表するギタリスト、Phil Millerのライブに出かける。
 まずはFred Baker(b,g)とのDuo。1991年にフィルが初来日した時にも六本木ピットインでこのDuoをみたのを思い出す。
 定刻18時にスタート。没後25年になるAlan Gowen作のArriving Twiceから始まり、懐かしい曲を交えつつ進行。フレッドはベーシストとしても第一級だが、ギターも上手い。
 イン・カフーツのレパートリーなどは今年亡くなったElton DeanとPip Pyleのサックスやドラムが聞こえてくるような気がして、しんみりする。1時間10分ほどで終演。

 一旦外出して夕食をとり、再びピットインに戻り、20時開場、20時30分開演。
今度はバンド、Phil Miller IN CAHOOTS のライブ。メンバーは以下の通り。

Phil Miller:g
Fred Baker:b
Peter Lemer:kb
Simon Picard:ts,ss
Mark Fletcher:ds

本当はSimon Finch(tp)もいるのだが、なぜか不参加。というわけでクインテット編成。
 マークは前任のピップ・パイルとはかなり違ったスタイルのドラマーで、とにかく叩きまくっていた。ベースのフレッドとのリズム・セクションはかなり強力。相性も良さそう。過去二回の来日時とはまるで別のバンドになっていた。
 テナーとソプラノのサイモンはエルトン・ディーンに比べるとやや大人しめか。 英国ジャズ界のベテラン、ピーターは落ち着きの中に若々しさを感じさせる演奏。
 そして、フィルはいつものようにギターを胸に抱きかかえるようにして、とつとつと音をつむいでいく。

 途中休憩をはさんで2時間以上。終わったのは23時過ぎだった。