参院選に立ち会う

 昨日(7月29日)の参議院議員選挙「投票立会人」を町内会経由で頼まれる。住民代表が投票に立ち会うことによって選挙が公正に実施されたことの証人となるのが投票立会人。僕は4月に2回あった統一地方選挙の時もやっている。
 朝6時半に地元の投票所に集合。投票開始5分前に所定の席(投票者からみると投票箱の後方)につく。投票管理者1名(ちょっとエラくて、最初と最後に投票開始と終了の宣言文を読み上げる役割がある)と立会人3名の計4人。僕以外はみんなおばちゃん。
 7時、投票開始。早くも数人が並んでいたが、ここでまず最初の仕事。一番最初の投票者が票を投じる前に投票箱の中がカラっぽであることを確認。あらかじめ特定の候補者の票がドッサリ入っているなんてことがあってはいけないので…。これは一番乗りの投票者にも一緒に確認してもらう(一番乗りの人の特権です!)。それから投票箱に施錠して投票が始まる
 あとはひたすら人々が投票するのを眺めているのである。夜の8時まで13時間。もちろん、4人がローテーションで休憩をとりながら、だけど。投票所には不測の事態に備えて警察官も詰めていて、ヒマそうなので(警察の出番があっては困るけど…)、休憩時間には選挙の話や野球の話などする。合間に自分も投票。
 早い時間に投票に来るのは年配の人、特に男性が多い。9時ぐらいから女性の割合が増えて、老若男女が次々とやってくる。時には投票待ちの渋滞も。
 杖をついたお年寄や車椅子の人も結構いるけれど、暑い中、みんなちゃんと投票にやってくる。立派だなぁ、と思う。おじいさんが足の悪い奥さんと手をつないでやってくるチャーミーグリーンな老夫婦も素敵だな、と思う。
 ちなみに僕のいた投票所の区域には5,000人以上の有権者がいるのだけど、実は投票用紙は3,500枚しかない! 今回は期日前投票をした人がいつもより多かったらしいけれど、それにしても、もし投票率が100%なんてことになったら、投票用紙、足りないのだ。そもそも東京都は有権者数の90%(だったかな)しか作成していないらしい。次回の選挙の時はふだん行かない人もみんな投票に行って、投票率を限りなく100%に近づけて、当局を大慌てさせてみたらどうだろうか。
 もうひとつ、使用済みの投票用紙はリサイクルして選挙のポスター掲示板になるとのこと。昔はベニヤ板だったけれど、そういえば、最近は白いボードになっている。で、その掲示板もさらにリサイクルされてまた再生紙になるらしい。これは世田谷区の話で、ほかの地域でも同じなのかどうかは知りません。
 昼はお弁当が出る。交替で昼食。
 午後1時前ごろから投票に来る人が増えてきたが、2時頃から空が真っ暗になり、激しい雷雨。パタリと人が来なくなる。
 3時頃には雨も上がり、陽が射して、アブラゼミが鳴き出し、また人がちらほらとやってくる。1時間ごとに投票者数が経過報告されるのだけど、2時〜3時台に大きく落ち込んで、4時以降からまた増えてはきたけれど、意外に伸びない。投票率は4時にようやく30%を超えた程度(期日前投票分は除く)。
夕方以降は圧倒的に若者が多くなり、高齢者はめっきり少なくなった。
 夕食もまた弁当。5時過ぎから順次食べる。このころから再び雷鳴が聞こえ、雨が降り出す。
 夜、8時の時報と同時に投票所閉鎖。終了。最終的な投票者数は現時点で確認していないが、有権者約5,000人のうち2,300名程度か。ほかに期日前投票が10%ぐらいいるという話なので、投票率はトータルで50%台の半ばぐらい?
 このあと厳重に封鎖した投票箱を開票所(世田谷区は砧の区立体育館)まで運ぶわけだが、これにも投票管理者と立会人1名がついていく。投票箱のすり替えなんて事が起きないように、ということだろう。発展途上国ではそのような不正はしばしば起こるらしいので。まぁ、日本ではそんなことはないだろうけれど、民主的な選挙を遂行するにはこういうことも必要なのだ。
 強い雨の中、有権者の皆さんの大切な票が入った箱と共にタクシーで開票所へ。ラジオで早くも東京選挙区は民主党の候補2名が当選確実との速報を流している。まだ、投票箱届けてないんですけど…。まぁ、でも立会人をやっていると、用紙を折らずに丸見え状態のまま箱に入れる人が結構いて、書いた名前が見えてしまうので、大体誰が当選するか、少なくともトップ当選が誰なのかは予想がついてしまうのだ(実際、予想通りでした。民主党の大河原さん)。
 世田谷区には全部で114ヶ所の投票所があり、すべての投票箱がタクシーで運ばれてくるので、開票所前はタクシーの行列ができていた。開票所前で投票箱とこれから開票作業にも携わる世田谷区の職員を下ろし、そのまま僕らはまた地元まで送り届けてもらう。
9時前に帰宅。

 選挙の結果は皆さんご存知の通り、民主党の大勝、自民党の大敗。まぁ、これが政権交代に直結する衆議院の選挙だったら、これほど民主党が大勝するかどうかは分からないけれど、今までは与党が数にモノを言わせてやりたい放題だったから、今回の結果はとりあえずこれでよかったのでは、と思う。
 安倍さん、辞めないらしいが、仮に辞めるとしても、後釜がいないか。どうせ総理になるなら、もう少しマシな時にやりたいだろうし。貧乏くじを引く人が誰もいなくて、続投ってか?
 それにしても、安倍さんの言葉ってどうしていつもあんなに空疎なんだろうか。