宮脇俊三と鉄道紀行展

今日から世田谷文学館京王線芦花公園駅から徒歩5分)で始まった「没後5年・宮脇俊三と鉄道紀行展」に行ってきた。
鉄道紀行を文学の一ジャンルとして確立したと言われる宮脇俊三さん(1926-2003)の業績を回顧する初の展覧会。ファンの多い作家であっただけに初日からけっこうな賑わい。
僕が宮脇俊三という名前を初めて知ったのはデビュー作『時刻表2万キロ』(1978年)の新聞広告だった。その日のうちに書店で探して買って、夢中になって読んだのはもう30年も前なのか。それ以来、ほとんどの作品を読んだのではないか、と思う。お姿は一度、確定申告の時期に税務署でお見かけしたことがある。
年譜によれば、還暦を過ぎてから健康のためにサイクリングをされていたそうで、世田谷のご自宅から神田川沿いの自転車道を通って井の頭公園まで往復20キロがお決まりのコースだったということを初めて知り、自分と同じだと、改めて親しみを覚えたりもした。多摩川の土手を立川付近まで行ってきたこともあるとか。
展覧会では宮脇さんが国鉄全線完乗を達成するまで乗車線区を赤ペンで塗りつぶしていった日本地図や、『最長片道切符の旅』で使用された広尾(北海道)〜枕崎(鹿児島)の片道乗車券の実物、自筆原稿、自ら描いた路線図、自作時刻表、取材ノートなど貴重な品々が展示されて見ごたえ十分。
会期は9月15日まであと2か月もあるので、もう一度ぐらい行ってしまうかもしれない。

宮脇さんの娘さんである宮脇灯子さんがかつて父親の乗った鉄道路線を訪ねる紀行『父・宮脇俊三が愛したレールの響きを追って』を購入。


父・宮脇俊三が愛したレールの響きを追って

父・宮脇俊三が愛したレールの響きを追って