CDショップでかかっている音楽というのはお客に対して、ある種の寄せ餌というか釣り針についた餌そのものという意味があるのだと思うけれど、そのわりには、思わず買いたくなるような曲が流れているケースというのは案外少ない。でも、今日新宿の某レコード店でかかっていた音楽には思わず耳を奪われた。最初に惹かれたのはヴォーカルの女の子の声。かわいいんだけど、ウィスパー気味に語尾がかすれるところがちょっとエロティックな感じ。そして、なんだか言葉遊びのような詞もやけに耳に残る。ギター・ポップ風のバックの演奏もいいなぁ。誰だろう、この人たち…。
お店のカウンターにある「Now Playing」のところに置かれたCDにそっと近づく。しかし、ここでそれを手に取ってみたりすると、いかにもまんまと餌に釣られた魚みたいなので、チラリと見るだけである。ほかのCDを探しているような素振りで、その辺をうろつき、「ハイファイ新書」「相対性理論」という2つの言葉を頭に叩き込む。どっちがバンド名で、どっちがアルバム・タイトルなのか分からない。とにかく覚えた。でも、ここでは買わないんだな。店でまさに今かかっているCDを買うというのは恥ずかしい。
で、タワーレコードに行ってみた。最初、ハイファイ新書というのがバンド名かと思って探してみたが、ない。続いて、相対性理論で探してみたら、あった! というか、タワレコでも特設コーナーまで作って大プッシュしているのだった。それを買うのも、薦められるとすぐ飛びつく単純な人みたいで、ちょっとイヤだったのだけど、今度は買ってしまいました。
というわけで、相対性理論というバンド名の『ハイファイ新書』というアルバム。これはいいです。
カッコよくて、かわいくて、ちょっとエロティックで、不思議。ハマります。
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