Christian Vander's solo show

フランスのマグマが4度目の来日。その公演を前にマグマの中心人物、クリスチャン・ヴァンデ(Christian Vander)のソロ公演があったので、行ってきた。クリスチャンの長い経歴の中でもソロでのコンサートというのは来日直前のフランス・ボルドーでの公演が世界初ということで、今回の東京公演は史上2度目という貴重なものなのだ。
会場は岩本町のTokyo TUCというジャズ系のライヴハウス。行ってみると、ずいぶん地味な場所にあった。開場前に路上を歩くクリスチャン(半ズボン姿)を目撃。
開場後、とりあえず自分の席を確保して、それからCDやTシャツなど販売コーナーをチェック。クリスチャンのソロ・アルバム『To Love』のリマスター盤が先行発売されていたので、買う。このアルバムはもうすでに持っていて、長い間愛聴しているのだけどね。今日はこのアルバムかたも演奏されるらしい。
この特別公演は100席限定ということだったが、当日券も若干あったようだ。最終的には満員。立ち見もいた。マグマのほかのメンバーも全員来ていた。

さて、ステージにはグランドピアノがドーンとあり、定刻にクリスチャンが登場。ピアノの前に座ると、一言も発しないまま演奏スタート。
1曲目は“Ronde de Nuit”。この曲はステラ・ヴァンデのソロ作に収録されているが、ヴォーカルなしのピアノソロで演奏された。クリスチャンはドラマーとしてもヴォーカリストとしても一流だが、ピアニストとしても聴く者の魂を揺さぶるような表現力と説得力をもっていることが、この1曲だけで分かった。ほんの数メートル先で、あのクリスチャン・ヴァンデが演奏しているという夢のような現実!
次からはピアノ弾き語りとなるが、音の洪水のように押し寄せるピアノと彼のヴォーカルは圧倒的だった。ソロアルバム、オファリングの曲、明日からのマグマ公演でも演奏されるであろうマグマの新曲のピアノ弾き語りヴァージョン(抜粋)など、MCもないままにひたすら演奏が続いた。
ようやくMCがあると、会場後方にいたステラが呼ばれ、ステージへ。ステラさん、ずいぶんスリムになっていた。で、やったのがオファリングの“C'est pour Nous”(私たちのために)。長い間、一緒に音楽活動を続けてきた二人によるデュエット、感動した。これで本編終了。
ところで、ステラの登場時、彼女は狭い通路を通ってステージに上がったのだが、その時、僕の目の前を通り、僕の膝にステラの足が接触、さらに、靴の先端部分をちょっと踏まれたような気が…。本編終了後、ステージを降りたクリスチャンも僕の膝を掠めて通った。けっこう感激!

アンコールは再びクリスチャンのソロ。もう1曲ぐらいステラとの共演を聴きたかったなぁ。たとえば、“To Love”とか…。
終演後、会場を出て地上への階段を上がると、マグマのベーシスト、フィリップ・ブゾネが煙草を吸っていた。会場内は全面禁煙だったので。