福田進一/優しき玩具〜吉松隆ギター作品集(1997)

優しき玩具~吉松隆ギター作品集

優しき玩具~吉松隆ギター作品集

 現代音楽というと難解なイメージがあるけれど、「非音楽的で美しくない現代音楽の撲滅をめざしている」という作曲家・吉松隆の作品にはひたすら美しく抒情的なものが多い。これはそんな吉松作品をクラシック・ギタリストの福田進一が音にした小品集。曲によってはギター二重奏だったり、ハーモニカが加わったりする。作曲家本人が「このアルバムは大げさに言えば、私の中にあるルネサンスから現代そして民族音楽からポップスに至るまでの人類の音楽すべての記憶と、福田さんの持っている古典から現代に至る高度なギター演奏法のノウハウとアイデアがびっしり詰まった『タイムカプセル』であり『宝の小箱』なのである」(ライナーノートより)というように、ノスタルジックな曲、ロマンティックな曲、悲しく切ない曲などなど・・・次から次へと現われては消えていく。純粋に音楽を聴く喜びを感じさせてくれる作品。