吉川英治『新・平家物語(一)』

新・平家物語(一) (吉川英治歴史時代文庫)

新・平家物語(一) (吉川英治歴史時代文庫)

 今年の大河ドラマ平清盛』は今のところ初回からずっと見続けている。まあまあ面白い。
 といっても、過去の大河で最後まで全部欠かさず見た、というのは記憶にないので、いつまで続くか分からないが。
 で、このあたりの時代といえば、僕の愛読書である吉川英治の『新・平家物語』。文庫版で全16巻だが、過去に3回読破している。また読みたくなって、1巻から読み始める。何度読んでも面白い。
 今日読み終えた第1巻は清盛の青春時代から保元の乱の勃発まで。こちらでは清盛の生母が祇園女御(ドラマでは松田聖子)ということになっており、白河上皇の御落胤説についても、慎重な書き方をしているなど、ドラマとは違う点もたくさんあるが、それは当然ではある。
 どちらも、まだまだ先は長いが、『新平家』では清盛をはじめとする平家の人々だけでなく、源頼朝義経木曽義仲から時代に翻弄される女性たち、市井の人まで、みなが場面ごとに主人公のように描かれ、圧倒的なスケールで物語が展開していき、一度読みだしたら、やめられなくなる。ほかにも読む本がたくさんあるのだけど。