誉田哲也『ヒトリシズカ』

ヒトリシズカ (双葉文庫)

ヒトリシズカ (双葉文庫)

 先日、小学校時代の友人たちと集まった時に珍しく読書の話題になり、誉田哲也の『ヒトリシズカ』について、あれはスゴイ、という奴がいたので、読んでみた。確かにスゴイ。
 6つの連作からなる警察小説。それぞれに異なる語り手によって、時間も場所も違う事件が綴られるが、そこに共通して見え隠れする一人の少女の存在。最後に彼女の人生の全体像が痛々しく浮かび上がり、読み終えた後も心に深い余韻が残る。