米澤穂信『秋期限定栗きんとん事件』（上・下）

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)

　『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』ときて、『秋期限定栗きんとん事件』を秋のうちに読んでしまおうと思っていたら、駆け足で冬が来てしまったが、昨夜読了。
　何かと知恵を働かせて、他人の話に口をはさんでは、嫌がられる性格の小鳩くん、何よりも復讐を愛する小佐内さん。それぞれの欠点を克服し、平穏な日常を過ごすために、小市民をめざす二人の高校生は互いを監視し合う互恵関係を結んで、いつも一緒に行動していたが、前作の最後で関係を解消。それぞれの道を歩み出す。そこから、この物語は始まる。
　小鳩くんには新しい彼女ができ、小佐内さんも下級生の瓜野と付き合い始める。新聞部に所属する瓜野は学校内のニュースしか扱わない校内新聞に不満を抱き、校外の出来事にも目を向けようとする。そこに発生したのが連続放火事件。瓜野は事件を追い始めるが、やがて、エスカレートする放火事件の周辺に小佐内さんの影がちらつきだして…。
　春・夏・秋の中で今作が一番面白かったかな。