クリスマス


 日本の場合、当日より前夜祭のほうが盛り上がるクリスマスだが、クリスマスにちなんで、個人的に懐かしい写真。子どもの頃の我が家のクリスマスツリー。白黒写真だし飾り付けもなんだか冴えない感じだが、本物のモミの木だ。当時はクリスマスツリーといえば、本物のモミの木に飾り付けるのが普通だったように思う。シーズンになると、花屋の店先にたくさん売っていましたよね。
 いずれにしても、まだ自分を取り巻く世界が不思議に満ち溢れていて、クリスマスというものが神秘性を帯びていた幼いころの記憶はこの写真と結びついている。「よいこのクリスマスとお正月」とかいうLPレコード(A面がクリスマスの曲)を親にかけてもらったこととか、朝起きた時に枕元に置いてあったプレゼントとか、うーん、懐かしい。

 クリスチャンでもないのに大騒ぎをして…とか、クリスマスを祝った1週間後にお寺で除夜の鐘を聞いたり、神社にお参りしたり…と無節操だ、などと思わないでもないが、日本には八百万の神々がいて、キリスト教の神だろうが、イエス・キリストだろうが、仏様だろうが、日本古来の神々だろうが、ありがたそうなものは何でも拝んでしまい、そこに何ら宗教的矛盾を感じない、というのが日本の伝統的な宗教感覚なのだろう。キリスト教の立場からすれば、唯一絶対の神が八百万の神々の一員にされてしまうのは、許しがたいことかもしれないけどね。
 あなたの宗教は?と聞かれたら、アニミズムと答えよう。