「踏切注意」の標識


根室本線・上尾幌〜尾幌間。1997年8月)
 これまでにも何度か書いたと思うが、好きな道路標識は何か、と問われれば、汽車の描かれた「踏切注意」の標識と答えることにしている。相変わらず、そんな質問は受けたことがないけれど…。
 昔は「踏切注意」の標識といえば、煙を吐いて走る汽車ポッポの図柄に決まっていたが、それでは今の時代にそぐわないと当局が考えたようで、いつの頃からか電車の図柄が登場し、汽車の絵の標識はどんどん置き換えられていった。下の写真は1997年8月に撮影した北海道の根室本線、尾幌〜門静(もんしず)間の踏切だが、ここは非電化で電車が走れない路線なのに、すでに電車タイプが進出していた。

(写真が妙に変色しているのは、旅の途中で雨に降られ、フィルムが浸水してしまったため)

 いまや昔懐かしい汽車タイプは道路標識界の絶滅危惧種であるわけだが、東京都内でもまだ汽車の図柄を見かけることがある。この春地下化され、踏切が消えた小田急線・下北沢駅付近にもわりと最近まであった。
 その貴重とも言える汽車の絵の標識がなんと新宿にあった! 正確には渋谷区代々木だけど…。
 小田急線の新宿駅から2つ目にあたる新宿2号踏切にそれはある。しかも、高い位置にあるせいか、きわめて状態がいい。


小田急線・新宿2号踏切・南側)

(新宿2号踏切・北側)
 小田急線のロマンスカーと昔ながらの汽車ポッポの対照がおもしろい。
 ちなみに、新宿駅を出てすぐの新宿1号踏切にも最近まで汽車タイプがあったのだが、今は電車タイプになっている。

 新宿2号踏切の汽車ポッポ、一体いつまで頑張れるだろうか。ずっとこのままでいてほしい。