クレイグ・マクラクラン『西国三十三か所ガイジン巡礼珍道中』(橋本恵訳)

西国三十三か所ガイジン巡礼珍道中 (小学館文庫)

西国三十三か所ガイジン巡礼珍道中 (小学館文庫)

 ニュージーランド出身のクレイグがハワイ在住の友人・ポールとともに西国三十三か所の観音霊場を23日間で巡礼する旅行記。僕は西国は巡っていないが、坂東三十三か所はすべて参拝したので、なんとなく興味を持って読んでみた。
 和歌山県南部の第一番札所・青岸渡寺を起点に、白装束に菅笠をかぶり、「南無大師遍照金剛」と墨書きされた特製バックパックを背負い、最初は徒歩で巡礼を開始した2人のガイジン。途中でポールの足が医者に「歩行禁止」を申し渡されるほどボロボロになってからはママチャリに乗って、猛暑の関西巡礼旅は続く。
 ガイジンが歩いていたというだけで警察に通報されたり、ゴミの不法投棄やお寺の拝金主義に憤ったり、ショックを受けたり、観音様のように親切な人たちに各地で出会ったり…。外国人が巡礼を通して見た日本と日本人の姿が浮き彫りになる。
 クレイグ・マクラクランの本は過去に『ニッポン縦断歩き旅』を読んだが、ほかにも日本百名山をすべて踏破したり、四国八十八か所を巡礼したりしているんだね。