- 作者: 黒田基樹
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2011/06/04
- メディア: 新書
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そもそも、室町時代は足利氏が京都に幕府を開き、将軍の地位を世襲する体制だったわけだが、関東は鎌倉を拠点にやはり足利尊氏の子・基氏の子孫が鎌倉公方の地位を世襲し、尊氏の母親の実家だった上杉氏が関東管領として公方を補佐する体制だった。しかし、関東の支配権をめぐって足利氏と上杉氏が対立、さらに上杉氏の内部対立により全国に先駆けて戦乱の時代に突入。そこへヨソ者の北条氏が進出してくることで、北条氏と上杉氏の抗争へと発展していく。そして、上杉氏の家督を受け継いだ長尾景虎=上杉謙信が登場。越後から毎年のように関東へ侵攻を繰り返す。
北条氏は上杉氏と対抗するため、甲斐の武田信玄と同盟を結んだり、その信玄と対立して、今度は謙信と同盟したり、また手切れとなったり…。各地の小領主(国衆)もあっちについたり、こっちについたり、まぁ、話はややこしいのだが、とりあえず、コンパクトにまとまっていて、勉強になった。それにしても、戦国時代というのは上から下まで、みんな大変だったんだなぁ、と改めて思う。戦乱の時代なんてもうコリゴリという気持ちがそれに続く天下泰平の世を長続きさせる要因になったのかもしれない。