小湊鉄道の旅(その6)

 しぶとく続く小湊鉄道シリーズ。いよいよ「関東の駅百選」認定駅・上総鶴舞です。
 高滝12時47分発の五井行きに乗って、上総鶴舞駅へ。

(大きなイチョウの木がそびえる上総久保駅

(夏草の線路を行く)
 12時54分に上総鶴舞に到着。ここで降りたのは僕だけ。

 走り去る列車。次の上り列車は14時38分。1時間44分後。降りてから気がついた。

 上総鶴舞に来るのは4度目だ。ただし、過去3回は自転車だった。最初は1995年夏のツーリング。予備知識なしにたまたま通りかかり、この駅のたたずまいにまさに一目ぼれしたのだった。その後、この駅が「関東の駅百選」に認定された時はまさに我が意を得たり、という気持ちだった。

 小湊鉄道は映画やテレビドラマ、CMその他にたびたび登場するが、そのほとんどが上総鶴舞駅である。なんといっても絵になる駅なのだ。
 しかし、その前に、この駅名標、気になりませんか? 上総のひらがな表記…。

 「かずさ」が正解だと思うが、小湊鉄道沿線ではけっこう「かづさ」と「かずさ」が混在しているのだ。
 ちなみに、鶴舞駅のもう一つの駅名標は…。

 まぁ、どっちでもいいか。そんなはずはないけれど…。
 ところで、僕にとって上総鶴舞駅というと、ノウゼンカズラの咲く駅である。
 初めてこの駅を通った時、ホームにいかにも南国的なオレンジ色の花が咲いていて、なんかいい感じだなぁ、と思ったのだ。その時はなんという花か知らなかったのだが、あとで調べて、初めてノウゼンカズラという花の名を覚えたのだった。それ以来、僕の中ではアサガオやヒマワリ以上に夏を代表する大好きな花になっているのだ。
 使われなくなったホームに咲いているし、駅舎の横にも大きく育ったノウゼンカズラが華やかに咲いている。


 南国というほどの土地でもないが、それでもどこか南国的な雰囲気のある駅。もちろん、ニイニイゼミやキリギリスが賑やかに鳴いている。それにしても暑い。駅前にはお店も何もない。次の列車まで、まだ1時間半以上ある。


 上総中野駅で見かけた鉄道写真家・中井精也さんも僕より一足先にこの駅にやってきたようで、この日(7月15日)のブログには上総中野駅でのとても素敵な作品が紹介されていた。