小湊鉄道の旅(その7)

 小湊鉄道上総鶴舞駅で過ごす夏の午後のひととき。
 駅は鶴舞の集落とは少し離れているので、駅周辺にはほとんど活気がない。
 有名な駅なので、鉄道ファンや家族連れが時折やってきては写真を撮っていくが、みんなクルマである。

 大正14年の開業時のまま(?)の駅舎。

(起点から20キロ。全線で39.1キロなので、ほぼ中間地点)
 上総鶴舞はいまは駅舎のある1番ホームしか使用していないが、もとは一応3番線まであり、ほかに貨物ホームもある、それなりに大きな駅だった。
 昭和初期には外房線の茂原と鶴舞を結ぶ鉄道計画もあり、実際に茂原から鉄道が建設されたが(南総鉄道)、全線開通の夢は果たせず、あっというまに廃止されてしまった。その茂原まで鶴舞から今はバスが運行されているようだ。

 これがバスの時刻表。うーん…。

 ひまなので、近くの大宮神社にお参り。

 小さなアカガエルがいた。

線路脇には早くもコスモスが咲き始めている。

 しきりに鳴いているキリギリス。ひまつぶしに、なんとか姿を見たいと探したら、枕木を使った杭に止まっていたが、ピントが合わないうちにピョンと飛んで、草むらに紛れてしまった。なので、こんな写真しかない。

 でも、キリギリスの姿を見たのは小学生の時以来かも…。

 鶴舞駅構内のはずれには旧鶴舞発電所の建物が今は資材倉庫となって保存されている。
 大正14年の開業時、駅舎の電灯用にディーゼル発電機を備えた発電所が設置され、その後、沿線の各村にも電力を供給したというが、昭和17年に廃止されたとのこと。


(今は資材置き場として利用されている)

 そのうち、下り列車がやってきた。



 まだ、時間があるので、再び暑い中散歩に出る。



 上空を飛ぶ飛行機。羽田に降りるところだろうか。

 光明寺というお寺があった。

 本堂の裏に石仏がいろいろ。


 鶴舞に舞う鷺。

 まだ、次の五井行きには時間があるはずなのに、また踏切の音が聞こえてきた。下り列車がもう一本、やってきた。


 それからまた時間が過ぎ、ようやく上り列車がやってきた。この列車で五井まで戻る。

 すべてが骨董の名品のような小湊鉄道の旅、堪能した。