昨日の続き。
栃木市で谷内六郎展をみた後、栃木駅から東武線で柳生駅まで移動し、渡良瀬遊水地へ行ってみた。
渡良瀬遊水地は2010年5月に自転車ツーリングで訪れているが、栃木・群馬・埼玉・茨城の4県にまたがり、まるで北海道の湿原や原野を思わせる広大な草原が広がっている。渡良瀬川の下流部を長大な堤防で囲って遊水地としたもので、当初の目的はいわゆる足尾銅山鉱毒事件で汚染された渡良瀬川の鉱毒を沈殿させることだったようだ。
その渡良瀬遊水地は東武日光線で東京方面から行くと、利根川を渡ってすぐ右手に堤防が見えてきて、新古河、柳生、板倉東洋大前、藤岡あたりまでが最寄駅と言える。その中でも小さな駅である柳生駅で降りてみたわけだ。ちなみに柳生は埼玉県加須市、隣の板倉東洋大前は群馬県板倉町、その次の藤岡は栃木県栃木市(旧藤岡町)となり、並んだ3つの駅がそれぞれ違う県に属しているという珍しいパターンだ。
(柳生駅の跨線橋から田園風景の彼方に遊水地の堤防が見える)
(柳生駅)
駅のすぐそばから田圃が広がり、早くも実った稲穂が垂れている。
日蔭がまったくないカンカン照りの道を1キロ余り歩き、ようやく遊水地の堤防を越えると、草原や林が広がり、セッカなどの声が聞こえる。トンボやバッタもあちこちで見かけた。
そして、まもなく谷中湖の水面が広がった。遊水地の造成にあたって強制廃村となった谷中村にちなむ名称だ。上空から見ると、ゆがんだハート形の人工の湖で、これだけでもかなり広く感じるが、広い広い渡良瀬遊水地の中ではごく一部に過ぎない。
近くの木ではホオジロがさえずっていた。
水門が並ぶ光景も水門好きにはたまらん眺めで、そばまで行ってみたいとは思うが、あまりに遠すぎて、徒歩ではどうしようもない。熱中症の危険を感じる。
(3年前にこの道をサイクリングしたなぁ…)
3年前のサイクリングのあまりの気持ちよさを思い出したが、この暑さでは自転車でも辛いだろう。
ということで、谷中湖をちょっと見ただけで、柳生駅に戻ることにする。
帰り道で見かけた十九夜塔。二十三夜塔はよく見るが、十九夜塔は初めて見た気がする。
隣には庚申塔。
アブラゼミ。
普通しか停まらない柳生駅では電車は30分に1本程度。ずいぶん待った。
(東武鉄道の駅では沿線で産出する大谷石を使ったホームが多いようだ)
(新栃木行き)
(陽炎の彼方に遠ざかる電車)
(やっと電車が来たと思ったら通過列車だった)