多摩動物公園のタイリクオオカミ

 多摩動物公園では今年の4月にオープンした新施設「アジアの平原」でタイリクオオカミ(亜種のヨーロッパオオカミ)を飼育している。
 2001年8月にロシアのモスクワ動物園から来たロボ♂とモロ♀の間に2005年〜2008年の間に15頭の子どもが生まれ育ち、広くなった新施設では両親と子ども10頭の計12頭で群れを作って生活していた。
 しかし、偉大な母親、モロは5月頃から体調を崩し、推定15歳と高齢だったこともあり、日中も室内で過ごすようになっていた。そのモロが8月12日朝、死亡した。死因は骨肉腫。朝の出来事で、ほかのオオカミたちも運動場に出る前だったため、家族に囲まれての旅立ちだったようだ。


 僕は動物園のホームページで知ったのだが、その後、ロボ一家はどんな様子だろうかと思い、昨日、見にいってきた。
 春の段階では、殺風景に見えた放飼場には夏草が生い茂り、だいぶいい雰囲気にはなっていた。オオカミたちは暑い日差しを避けながら、昼寝をしたり、水に入ったり、走りまわったり、喧嘩をしたり、と変わらない様子に見えた。
 飼育担当者や毎日のように来ている常連さんの目にはまた違ったものが見えるのかもしれないけれど…。

(いい感じに夏草が生い茂る運動場)
 今までの施設よりもずっと広くて快適そうな施設に引っ越したばかりで、モロも家族と一緒にもっともっと駆け回りたかったろうになぁ…。でも、オオカミの15歳なら大往生と言えるのかな。
 元気だった時のモロの写真があればアップしたいところだが、個体識別ができないので、誰が誰やらさっぱりわからない。
 みんな家族といっても、オオカミの群れには序列に基づいた厳しい規律がある。個体識別ができれば、オオカミ観察はもっと面白いと思うのだけど…。





(飼育員がやってきて、そろそろ家に帰って食事の時間?)

 動物園にはたくさんの命が存在するわけで、嬉しい知らせもあれば、悲しいニュースも当然ながらある。この夏もいろいろあったが、それについてはまた日を改めて書くつもり。

(おまけ)今日の夕空
 東京の空はこんな感じだったが、埼玉県越谷市から千葉県野田市にかけては14時過ぎに竜巻が発生し、大きな被害が出た。過去に自転車ツーリングで筑波山や大洗へ行くのに何度も通った地域だ。被害に遭われた皆様にはお見舞い申し上げます。