オオカミの遠吠え

 多摩動物公園タイリクオオカミ。夫婦とその子どもたちで構成される群れだが、母親が昨年8月に死亡し、現在は父と10頭の子どもが序列に基づいた厳格な規律のもとに暮らしている。
 昼間はみんな寝ていることが多くて、そんな時は見ていても面白くないのだが、たまに全員が一斉に起きだして遠吠えを始めることがある。

 いきなり不気味な唸り声が多摩の丘陵地帯にこだまして、あたりは異様な雰囲気に包まれる。








 ひとしきり吠えると、だんだんおさまってくる。

 そして、また静寂が戻る。

 序列の低いオオカミ。尻尾を巻いて逃げる、というのはまさにこのこと。

 激しい序列闘争で負傷するオオカミも少なくなく、治療が必要になって群れから隔離すると、それでも群れに戻りたがるそうだ。
 しばらくしたら、また始まった。

 隣で暮らすモウコノウマ(蒙古野馬)。オオカミは最大の天敵だが、遠吠えにもすっかり慣れたようで、平然としている。


 最近、北海道からやってきた2頭のどさんこ。彼らはどんな反応をするだろう?

(おまけ)きょうの夕富士