小湊鉄道2014年夏その3

 もはや存在そのものが文化財のような小湊鉄道の旅。

 “個室”の面積が200平方メートルと世界一大きいトイレのある飯給(いたぶ)駅から12時04分発の下り列車に乗って、また月崎、上総大久保を通って終点の一つ手前の養老渓谷駅で下車。12時18分着。

 駅ではさまざまな記念グッズが売られている。

 この駅には足湯があり、鉄道利用者は無料で利用できる。
 温泉のお湯はコーラのような色。きょうは素足にサンダルで来たので、こういう時は楽でいい。

 ほかに誰もいなくて、貸し切り状態だった。

(マスコットキャラクターのケロちゃん、コロちゃん)
 養老渓谷駅の駅ネコ。

 ここで少しのんびりしようかとも思ったが、先ほどの列車が上総中野で折り返して、12時40分に戻ってきたので、これに乗る。同じ区間を行ったり来たりして、一体何をやってるんだか…。

 今日4回目の月崎駅。ラヴェンダーが咲いている。

 緑のトンネルを抜けて…。

 里見駅

 13時01分着の高滝駅で下車。

 使われなくなったホームにラヴェンダーやアジサイが咲いている。




 高滝駅は駅ネコがいることで有名(?)なのだが、去年は見かけなかった。その前、2007年秋に自転車で来た時は確かいたと思うが、それ以上に駅前通りでクルマに轢かれたネコの無残な姿の方が印象に残ってしまって、今日は元気な猫がいるだろうか、と思ったら、ちゃんといた。

 さて、高滝から線路に沿って牛久方面へ県道を歩く。次の上総久保、その次の上総鶴舞あたりまでは歩けそうだ。
 このあたりは羽田からも成田からも近いせいか、旅客機が頻繁に低空を通過する。離陸したところか、これから降下するのかわからないが…。

 ノウゼンカズラの咲く小さな祠。

 ツバメの巣。巣は至るところにあり、ツバメが元気に飛び回っている。

 上総久保駅が見えてきた。ちょうど上総中野行きがやってきた。


 踏切のある風景。


 上総久保駅。大イチョウがシンボルツリーになっている。

 キリギリスが賑やかだが、なかなか姿が見えない。
 上総久保をあとにさらに歩く。
 バッタがいた。

 「汽車」という言葉がまだ生きている。
 学生時代、小田急線の駅で電車を待っていて、地方出身の友人が「汽車が来た」とつぶやいたのが妙に新鮮に聞こえたのを思い出す。

 高滝から4キロほど歩いて上総鶴舞駅に到着。


 コスモスが咲いている。 

 鶴舞発電所跡。大正14年の鉄道開業にあわせて設置され、ディーゼル発電機を備えて駅舎の電灯用に発電しただけでなく、沿線の各村にも電力を供給したそうだ。当時は家電製品などなく、電気といえば電灯ぐらいだったので、こんな小さな発電所でも十分まかなえたのだろう。昭和17年に廃止され、今は資材倉庫として使われている。





 僕にとって上総鶴舞駅といえばノウゼンカズラである。

 1995年8月に人生初の自転車旅行をした時、たまたま通りかかったこの駅のたたずまいにまさに一目ぼれ。それ以来、僕の大好きな駅なのだが、それは誰にとっても同じのようで、この駅はドラマやCMなどの撮影名所としてあまりにも有名。今どき、こんなに絵になるローカル線は小湊鉄道以外にないからね。

 たしかにこの豊崎愛生のMVに鶴舞発電所が映っているし、この列車も小湊鉄道だ。



 こんな芸術作品も…。

 ここでもアマガエル。

 14時45分発の養老渓谷行きがやってきた。

 旅はまだ続く。