秋まつり

 今日から旧世田谷村の鎮守、世田谷八幡宮の秋祭り。

 戦国期の世田谷城主、吉良頼康が1546年に創建した古社だが、もっと前、平安時代八幡太郎源義家の創建との伝承ももつ。
 その八幡宮の最寄り駅、東急世田谷線宮の坂駅。 

 都会の電車なのに、線路が草ぼうぼうなのがいい。

 宮の坂を下ってきた電車。



 さて、世田谷八幡宮の境内には土俵があり、江戸時代から続く奉納相撲が行われることで有名。
 14時から始まる。まずは土俵上で神事。神主さんが祝詞を上げ、塩で土俵、力士、観客を清める。


 その後、国歌斉唱、国旗掲揚。「君が代」が流れる中、土俵の真上に日の丸が揚がるはずが、係の人が引っ張る紐がなんとブチッという音とともに切れてしまった。一瞬、お客さんから笑いが起きたが、すぐにこの厳粛な雰囲気の中でこの大ピンチを一体どのように乗り切るのか、と誰もが注目する。でも、どうにもならず、掲揚できず。

(ズルッと落ちてきた日の丸)
 とりあえず、儀式終了。地元・東京農大相撲部の19名が土俵に上がり、最初に準備運動。
 まずは基本の四股。

 股割。模範的な股割。身体の柔軟さに観客から「おおっ」というどよめきとともに拍手が沸き起こる。

 身体の硬い子の股割。このパートは毎年、一種のネタになっている。
 上体をぺたっと地面につけるはずなのだが…。お客さんがみんな笑っている。

 その後、いよいよ取組開始。個人戦、出身地別の団体戦。次々とかかってくる相手を誰かが3人続けて破るまでノンストップで勝負を繰り返す三人抜き、さらに五人抜きなど。
 けっこう迫力がある。小柄な力士が大きな力士を投げ飛ばす大技も出て、拍手喝采



 三人抜き。勝負がついたと同時に我先にと勝ち力士にかかっていこうと、みんなが身を乗り出して勝負の行方を見つめている。

 取組の続く間も樹上からはセミの声や世田谷ならではのワカケホンセイインコの声が聞こえてくる。

 結局、日の丸はあの位置に…。

 最後に「これより三役」。

 大関同士の結びの一番。


 豪快な上手投げ。

 奉納相撲が終わって、境内をあちこち見て回る。

 金魚すくいのほかにミドリガメすくいもあって、ビニール袋に入った小さなミドリガメを持っている親子がいたが、ああいうカメがあっという間に大きくなって、どこかの池に捨てられるのだ。八幡宮の池にもたくさんいる。


 境内には江戸時代から明治、大正、昭和初期までの「力石」が置いてある。

 その後、東隣の豪徳寺へも行ってみた。