あのオルフェーヴルの圧勝劇からもう1年。2014年の中央競馬を締めくくるグランプリ、第59回有馬記念が中山競馬場の芝2500メートルで行われ、ドリームレースに相応しくGI馬10頭を含む16頭が参戦した。
今回は女王ジェンティルドンナ、世界ランク1位のジャスタウェイ、3歳時にジェンティルと激戦を繰り広げたヴィルシーナ、さらにトーセンラーと4頭の引退レースでもあったが、1番人気は凱旋門賞以来でこのレースに照準を絞ってきたゴールドシップ。2番人気は前走ジャパンカップで圧勝したエピファネイア。3番人気がジャスタウェイで、中山は初めて走るジェンティルドンナは4番人気。
レースはジェンティルドンナがいつものように好スタートを切るが、それを交わしてヴィルシーナが先頭に立って、スローペースで逃げる。外からエピファネイアが進出して単独2番手。ジェンティルドンナは少し離れた3番手という絶好の位置。ゴールドシップも前に行きそうに見えたが、結局、馬群の後方。ジャスタウェイはさらに後ろ。
そして、4コーナー手前でヴィルシーナが失速して、エピファネイアが早め先頭で直線に入るが、ジェンティルドンナが並びかけて前に出る。ゴールドシップ、ジャスタウェイも外から追い込んできたが、結局、ジェンティルドンナが先頭でゴールイン。最後のレースで見事に優勝を果たした。2着には内から追い込んできた3歳のトゥザワールドが入る。
ゴールドシップ、ジャスタウェイが3、4着。スローペースだったにも拘らず両馬とも外枠からの発走で後方からの競馬となったのが敗因だろう。特にジャスタウェイはラスト600メートルを33秒4と一番速いタイムで上がっていただけに前半からもう少し前に行けていたら、というところ。
それにしても、ジェンティルドンナはすごい。もうこのレースに勝たなくても、彼女の評価が揺らぐことはないわけだが、3連覇をめざした前走ジャパンカップで雨上がりの重馬場に泣いて4着に終わったことから、引退を延ばして、このレースに挑み、見事に有終の美を飾った。これでGIはドバイのレースを含めて7勝目。これは父ディープインパクトらに並ぶ歴代最多タイ。しかも、牝馬ながら3歳時の牝馬三冠達成後はひたすら牡馬相手に戦って、JC2勝、ドバイシーマクラシック、そして今日の有馬記念と勝利を積み上げてきたのだから、誰もが認める歴史的な名牝ということになる。
ということで、今週もまたディープインパクトの娘。しかも、これで有馬記念の父娘制覇を達成だ。今年の前半はハ―ツクライの子どもたちが頑張ったが、後半はディープインパクトの遺伝力のすごさをまざまざと見せつけられた。来年以降もディープインパクトの子どもたちの時代が続くのだろうか。
そして、ジェンティルにはディープの孫を産むという仕事が待っている。将来、どんな子どもが出てくるか楽しみ。
1着 ジェンティルドンナ(戸崎) 2着 トゥザワールド 3着 ゴールドシップ
4着 ジャスタウェイ 5着 エピファネイア 6着 ラキシス
7着 ラストインパクト 8着 トーセンラー 9着 デニムアンドルビー
10着 フェノーメノ 11着 サトノノブレス 12着 ウインバリアシオン
13着 ワンアンドオンリー 14着 ヴィルシーナ 15着 メイショウマンボ
16着 オーシャンブルー