Dave Sinclair/Stream

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 キャラヴァンやマッチング・モールなど英国のカンタベリー派と呼ばれるロック/ジャズロック系のグループで活躍したキーボード奏者で、10年ほど前から京都で暮らしているデイヴ・シンクレアのソロアルバム。イギリスと日本で5年の歳月をかけて制作され、2011年にリリースされたものの、広く出回ることがなかった作品が今年再発された。
 ロバート・ワイアット、アニー・ハズラム、アンディ・ラティマー、ジミー・ヘイスティングス、デイヴ・ステュワート、バーバラ・ガスキン…と知らない人はまるでピンとこないだろうけれど、知っている人にとっては信じられないぐらいの超豪華メンバーが参加している。ただ、豪華な顔ぶれというだけでなく、この名前を見ただけで、もうワクワクしてしまうし、この作品が傑作であることは保証されたも同然だろう。
 カンタベリーの名曲「O Caroline」の作曲者だけあって、美しいメロディにあふれた作品。デイヴのピアノやキーボードを中心としたたおやかなサウンドに乗せて、美声ヴォーカリストたちが歌うジェントルな歌物アルバム。ジミー・ヘイスティングスのフルートやサックスも全編にわたって彩りを添えていて、まさに心が洗われる。


 これは1970年代初めにデイヴが在籍したマッチング・モールのO Caroline。

 こんな信じられないようなメンバーによるO Carolineの動画があった。デイヴ・シンクレアのピアノにデヴィッド・アレンのギター、クリス・カトラーのドラム、ハラユミのピアノとヴォーカル。アレンが今年3月に77歳で亡くなったので、もう2度と実現しない組み合わせ。場所は近江八幡ライヴハウスらしい。

 ついでにこれはデイヴがNHK-FMの番組に出演した時に日本人ミュージシャンと共演したO Caroline。ヴォーカルは上野洋子