ELECTRIC ASTURIASライヴ

 吉祥寺のスターパインズカフェでエレクトリック・アストゥーリアスのライヴ。
 アストゥーリアスは日本のマイク・オールドフィールドとも評される作曲家でマルチ奏者の大山曜のソロプロジェクトとして1988年にデビュー。大山氏による多重録音に多彩なゲストを加えたアルバムを3枚制作した後、しばらく活動休止。その後、室内楽編成のアコースティック・アストゥーリアスとして再始動、さらにロックバンド編成のエレクトリック・アストゥーリアスも結成され、大山氏のレコーディングプロジェクトとしての多重録音による(マルチ・)アストゥーリアスを含めた3つの形態で活動し、欧米でもライヴを行うなど、世界的に評価が高い。

 今回はマルチ・アストゥーリアスの7年ぶりのアルバム「欠落〜Missing Piece of My Life」の発売記念としてのエレクトリック編成でのライヴ。去年12月以来、久しぶりのライヴである。
 18時開場。とりあえず座席を確保して、物販コーナーで先行販売のアルバムを購入(全国発売は10月28日)。

欠落 -ミッシング・ピース・オブ・マイ・ライフ-

欠落 -ミッシング・ピース・オブ・マイ・ライフ-

会場は満員の大盛況だ。そして、18時半にステージにメンバーが登場。
 ELECTRIC ASTURIAS
  テイセナ(Violin)
 平田聡(Guitar)
 川越好博(Keyboards)
 大山曜(Bass)
 田辺清貴(Drums)

 新作発売記念といっても、この楽器編成では再現が難しいようで、エレアスのアルバムからの曲を中心としたセットリストだったが、新作からも1曲。アルバムではチェロなど多彩な楽器が使われているそうだが、このメンバーで演奏可能なアレンジに変更され、大山氏がキーボードも弾いた。人前で弾くのは高校の文化祭でディープパープルの曲のオルガンを担当して以来とのこと。自作とはいえ、アストゥーリアスの曲はディープパープルより難しい、とも。
 変拍子を多用した複雑で演奏難度の高そうな楽曲ばかりだが、むしろ美しいメロディが耳に残る。
 紅一点のテイさんはいつものようにライヴ中、全くしゃべることがなく、ミステリアスな雰囲気をまとったままエレクトリックヴァイオリンを弾きまくる。

 途中、大山氏のMC中に平田氏に機材トラブルが発生したほかは、全く隙のない演奏で本編終了。アンコールでは演奏前に大山氏がラグビーW杯で話題になった日本代表・五郎丸選手の精神集中のためのあのポーズを引き合いに出し、キーボードの川越氏にもアノ曲を演奏する前には集中するためのルーティンがあるらしい、という話をする。人間業とは思えない、と評されるピアノの超高速イントロで始まる「Distance」のことだ。
 この曲を演奏し始めて11年、いつも心の中でカウントを数えて意識を集中してから弾き始めるという川越氏だったが、いつも以上のプレッシャーを与えられたせいか、途中でミスして、演奏やりなおし。川越氏が演奏ミスをするのは初めて見たが、こういうのはライヴならではの楽しみでもあったりする。
ASTURIAS/Distance

ACOUSTIC ASTURIAS/Distance

カリブ海のクルーズ客船上でのDistance。

 もう1曲、やはりピアノの今度は荘重な響きで始まる「The Lancer」で終演。ちょうど21時。休憩をはさんで2時間半、満ち足りた時間を過ごした。
 川越氏が新たに結成し、テイさんも参加しているた女性ヴォーカルの歌物ロックバンドSeRafiL(アストゥーリアスと違って「普通の」バンドです、と川越氏は何度も強調していた)のライヴ告知と同時に平田氏のステラ・リー・ジョーンズのライヴも12月5日にあるということで、終演後に物販コーナーで平田氏から直接、チケット購入。チケット代3300円だったので、五千円札と300円渡したら、3000円のおつりを渡されたので、1000円返す。こんなところでも平田氏はボケている(笑)。

(おまけ)夕暮れ時の井の頭池