都民の森(その1)

 今週末、檜原村の都民の森で開催された自然教室イベント「ふたご座流星群と哺乳類の観察」にまた参加してきた。
 金曜日に忘年会があり、夜中に帰宅して、急いで寝て、急いで起きて、12月12日、土曜日の朝6時半過ぎに家を出て、電車で武蔵五日市駅へ。先月はここまで自転車でやってきた。
 数馬行きのバスは9時発で、30分以上前に着いたのに駅前バス乗り場には登山客の行列ができていた。しかし、バスが3台出たので、余裕で座れた。しかも、ほとんどの人が途中の停留所で下車。先月、僕も登った浅間尾根あたりへ行くのだろう。
 五日市から檜原村の最奥の集落・数馬まで行き、その先、標高1,000メートルほどの都民の森までは路線バスが冬期運休中のため、無料の送迎バスが出ていた。
 10時過ぎに都民の森に到着。初夏だと、最初からミソサザイオオルリの声が聞こえてくるのだが、冬の山にはそういう賑わいはない。天気は晴れ。昨日の東京は12月とは思えない暖かさだったが、今日も山の上でもそんなに寒くはない。2年前の12月に同じイベントに参加した時はずっと氷点下だったが。
 森の拠点施設・森林館で受付。保険料200円を支払う。参加費はこれだけ。
 今回は参加者が多く、すでに顔なじみの人も含めて、老若男女40人ぐらいはいるようだ。参加希望者多数で抽選になったらしい。


 ということで、今回もいつもと同じように午前中は研修室で動物写真家・中川雄三さんのレクチャー。野鳥や動物の写真や動画も貴重なものがいろいろあった。
 モグラの標本。手触りが最高に気持ちいい。

 森林館にやってきたヤマガラ


 コガラ。

 昼食後、13時から野外観察へ。
 今回は定番の三頭大滝方面の道ではなく、裏の鞘口峠方面へ。
 上空を旅客機が次々と通過して、静かな山にその音だけが降ってくる。

 モモンガのまだ新しい食痕。杉の雄花。たくさん落ちている。

 野生のモモンガはまだ見たことがない。
 ミソサザイの古巣。

 キセル貝の仲間。

 カラス科の鳥、カケスの古巣。

 森の中にはクリの巨木がたくさん生えている。カケスが栗のイガが青いうちに中の実を取り出し、土の中に埋めておいた内、食べ残した(食べ忘れた)ものが芽を出して育ったものだという。

 ツルリンドウの実。

 一列になって山道を行く。シカの足跡があちこちで横切っている。最近はツキノワグマの目撃情報も西多摩全域で増えているらしい。

 鞘口峠からみた東京都の最高峰・雲取山(2,017m)。
 
 シカに樹皮を食べられたリョウブの木。幹のまわりをぐるりと剥がれてしまうと木は枯れてしまう。

 シカが角を研いだ痕。


 分厚く積もった落ち葉を踏みしめながら進む。


 ブナの木に着生したヤドリギ

 きれいな実がついて、クリスマスリースみたい。

 この実はヒレンジャクキレンジャクが好んで食べるらしい。
 ネズミが木の実を集めて食べた痕跡。外敵に襲われないように岩陰や木の根元の穴などにこのような食痕がたくさん見られた。アカネズミとかヒメネズミとか都民の森にはたくさんのネズミの仲間が生息している。ヤマネもたくさんいるらしい。

 発見するのは大変難しいアオバトの巣。山の中で葉が茂っていると、まず見つからない。キジバトなどと同じで、作りは雑。

 急斜面に生えたイタヤカエデ。

 頭上からヤマガラやコガラ、シジュウカラエナガなどの声が聞こえてくる。日が翳ってきたのに、そこだけ日が当っているかのようにオレンジ色っぽく見えるツルウメモドキの実など観察。
 都民の森のシンボルツリー、トチノキ

 15時45分頃、森林館に戻る。
 長くなりそうなので、本日はここまで。続きはまた明日。