井の頭池の「かいぼり」ほか

 井の頭池では昨年の「かいぼり」に続いて来年1月から、池の水を抜いて池底を天日干しする「かいぼり」を実施するが、先行して今月から弁天池(Y字形の井の頭池の左側に分かれた部分)の水を抜いて、ほぼ排水が終わっている。弁天池は前回は「かいぼり」が行われず、今回が初めて。


 ブルーギルオオクチバスミシシッピアカミミガメなどの外来生物の捕獲も進められている。


 今回、弁天池の水を抜いて判明したことは、ほとんど枯渇したと思われていた湧水が弁天池の上流部で多数見つかったこと。池の底のあちこちから水がこんこんと湧き出していたのだ。そのため完全に干上がらせて、池底を乾かすのは難しいことが分かったが、これは嬉しい誤算ではあるのだろう。外来生物の完全駆除は困難かもしれないが、水質向上には繋がるかもしれない。
 弁天池の背後には広い公園(雑木林)があるため、湧水が涸れずに残ったということなのだろう。

 年が明ければ、メインの池のほうも排水作業がはじまる。前回の「かいぼり」でいくらか透明度が上がり、水草が生えるようになったという。ソウギョやハクレンなど大型外来魚が駆除された結果、わずかに残ったブルーギルなどは天敵がいなくなり、再び増えているらしい。一度失われた自然を回復するのは大変なことなのだ。


 こちらは残念な話。
 多摩動物公園で12月17日にスイギュウの「ハルナ」♀が老衰により死亡した。1990年生まれの25歳だった。

(ありし日のハルナ)
 最近、「健康管理上の都合」とかで公開が休止されていて、足が弱っているというような話も聞いていたし、高齢でもあるので、こういう日が来るかもしれないという予感がなかったわけではなかった。
 一緒に暮らしていた「アカギ」♂が2013年夏に死亡して、以後は1頭で暮らしていた「ハルナ」。現在、造成中の広大なアジアゾウ舎の一角にはスイギュウの飼育場も建設されるらしかったが、「ハルナ」には間に合わなかった。
 まぁ、「ハルナ」は老衰ということだし、仕方がないのかな、とも思えるのだが、あまりにも残念なのはゴールデンターキン「ヨウテン」♂の死。2014年3月30日生まれのまだ1歳。
 昨日(12月19日)、突然、天国へ行ってしまった。公式サイトの発表だと、朝9時15分には、いつもと変わりがなかったのに、その5分後、飼育担当者がターキンたちを展示場へ出す準備をしている間に「ヨウテン」は寝室扉の上部にある格子に頭をはさみ、動けなくなってしまい、複数のスタッフが救助にあたったものの、頭をはずすことができず、9時40分に死亡が確認されたという。死因は窒息死。
 生まれた時から世話をしてきた「ヨウテン」が思わぬ事故で、懸命の救助作業もかなわず、目の前で命を落としてしまったのだから、飼育担当者のショックや無念さは計り知れない。
 生後8ヶ月の「ヨウテン」。

 生後10ヶ月の「ヨウテン」と母親の「オーキ」。

 いつのまにか角が立派になっていた先月の「ヨウテン」。

 今は冥福を祈るばかり。