春分の日の振替休日。朝から高尾山へ行ってきた。行きたいところはいろいろあって、家を出た時点でもまだ迷っていたのだが、最終的に手ごろな場所へ落ち着いた。朝は弱い雨もぱらついていたし。
京王線の高尾山口駅に着くと緑色の電車が停車中だった。1編成だけ存在する特別ヴァージョンの8000形。
帰宅後に知ったことだが、今日、正式に東京の桜の開花が発表されたそうだが、高尾山麓でもきれいな桜が咲いていた。それにしても、さえない天気である。
ケーブルカーの駅まで行くと、そこに火野正平さん一行がいた。NHK「にっぽん縦断こころ旅」のいでたち。でも、自転車は見当たらず。来週から2016年春の旅がスタートだ。
駅には北島三郎さんもいた(笑)。地元・八王子市民だからね。高尾山にもいろいろと貢献しているのだ。
さて、僕はケーブルカーなどには乗らず、歩いて山頂をめざす。登山ルートはいろいろあるが、とりあえず6号路を選択。途中に滝もある渓流沿いのルートだ。
歩きだしてすぐヒガラの声が聞こえた。ほかにウグイス、シジュウカラ、ヒヨドリなど。ウグイスは今朝家の近所でも聞いた。
お地蔵さんと七福神。
登山道に入って、まもなく野鳥に関する解説板があった。
オオルリ、ミソサザイ、キセキレイのさえずりを紹介しているのだが、その中で僕が野鳥界最高の歌い手だと考えるミソサザイのあの長くて複雑で絶対に文字化不能と思えるさえずりを文字で表現しているではないか。
チョツィツィツィツーペチルルル。うーむ。
そのミソサザイの声が聞こえてきた。今シーズン初ミソサザイ。この声を聞くと、山にやってきたという喜びが湧く。
やがて水行の場である琵琶滝に着いた。
小さな滝だが、行者が水に打たれるにはちょうどよい滝なのだろう。
登山道には当然、僕以外にも大勢の登山客がいるわけだが、途中で小さな花にカメラを向けている人たちがいた。
小さな白い花で、「これは何という花ですか」と聞いてみたら「ハナネコノメ」といい、高尾山では人気の花らしい。帰宅後に調べたらユキノシタの仲間だそうだ。
(ハナネコノメ)
道はずっと沢沿いに続き、途中からは沢を飛び石伝いに登る区間もあった。
カケスやコゲラ、エナガなどの声が聞こえる。
そして、沢から離れると、道端にスミレが咲いていた。
最後は階段が続き、ちょっときつかったが、とにかく山頂に到着。標高599メートル。汗が噴き出る。まわりでも上半身裸になってシャツを着替えている男性が何人かいる。
富士山は予想通り見えなかった。
晴れていれば、こんな感じ(過去写真より)。
東京から横浜方面の高層ビルは見えた。
そして、湘南の海と江ノ島も見えた。
高尾山といえばムササビだが、山頂付近でもムササビの巣穴を見つけた。穴の周りに爪痕がある。
いまも穴の奥で寝ているのかな。
下の写真は多摩動物公園のムササビだが、こんな風に顔を見せてくれたらいいのだけど。
さて、まだ時間はたっぷりあるが、どうしようか。登山道はここが終点ではなく、この先、陣馬山方面へ続くし、高尾山は大阪まで通じる東海自然歩道の出発点でもあるのだ。もう少し山歩きをしようかとも思ったが、とりあえず山岳霊場としての高尾山の中心である薬王院方面に下る。
不動堂。
飯縄権現堂。彫刻が見事。
薬王院本堂。
御朱印もいただき、そのまま下山ルートへ。すれ違う登山客の数が多い、外国人もたくさんいる。
これは北島三郎の銅像が建つわけだ。実際にこれだけの本数の杉を植えているわけではなく、森林の維持管理のための寄付金をこのように表現しているのだが、1本いくらに換算しているのだろう?
ところで、高尾山で僕のお気に入りがケーブル山頂駅前で売られている「天狗焼き」。たい焼きの天狗版といえば、そうなのだが、とにかく美味い。外側はカリカリサクサク、なかはモチモチ、とろりとした餡には黒豆が使われている。
有名なので、行列ができていたが、並んで買う。1個140円。
ここからの下山路は舗装路なので、帰りはリフトで下ってきた。まだ昼前だ。ということで、また多摩動物公園に行く。