ドバイ国際競走&高松宮記念

 アラブ首長国連邦のドバイ・メイダン競馬場で開催された世界競馬の祭典、ドバイワールドカップデー。世界各地の有力馬が集う中に日本からも10頭が参戦。
 このうちUAEダービー(G2、ダート1900m、7頭立て)には日本から3歳馬3頭が出走し、武豊騎乗の芦毛ラニが優勝。僕はラニという馬を今まで全く知らなかったが、2005年に天皇皇后両陛下が観覧された天皇賞・秋で優勝した牝馬へヴンリーロマンスが米国で産んだ仔(父Tapit)なんだね。ラニは米国ケンタッキーダービーの出走権も獲得。
 また、ドバイターフ(G1、芝1800m、15頭立て)には日本から4歳のリアルスティール(R.ムーア騎乗)が出走。昨年のクラシック戦線で常に有力視されながら勝てなかったリアルスティールが好位の外を追走から最後の直線で力強く抜け出し、優勝。念願のG1初制覇。1着賞金360万米ドル…ということは、日本円に換算すると…すごいな。
 それにしても、強いのになかなか勝てない馬が外国人ジョッキーを乗せるとあっさり勝つ、というのはよくあるパターンのような気がする。それが世界の一流騎手のすごさなのだろう。
 さて、日本の競馬ファンにとって、この日の最大の注目は次のドバイシーマクラシック(G1、芝2410m)だろう。昨年の二冠馬で骨折による長期休養明けからの復帰戦(中山記念)を快勝したドゥラメンテ(M.デムーロ騎乗)が参戦したからだ。前レースで優勝したリアルスティールがどうしても勝てなかったドゥラメンテが世界の強豪を相手にも強さを見せつけるか。
 しかし、どうやらスタート前に右前の蹄鉄が外れるアクシデントがあったようだ。レースでは後方追走から最後の直線で追い上げたが、先に抜け出していた英国馬ポストポンドをとらえられず、ドゥラメンテは2着に終わる。強さは見せたが、不完全燃焼か。3着にラストインパクト、5着にワンアンドオンリー
 メインレースのドバイワールドカップ(G1ダート2000m、1着賞金600万米ドル)には日本から7歳馬ホッコータルマエが参戦したが、12頭立ての9着に終わる。

 さて、これらのレースは現地時間26日(日本時間26日深夜〜27日未明)に行われ、一夜明けた日本では春のスプリント王決定戦、第46回高松宮記念(G1)が中京競馬場・芝1200メートルで行われ、牝馬4頭を含む18頭が出走。
 レースはローレルベローチェハクサンムーンが超ハイペースで飛ばして逃げ、その直後を2番人気ミッキーアイルが追走し、前を行く3頭を見ながら1番人気のビッグアーサーが追う展開。
 最後の直線で前の2頭が失速し、ミッキーアイルが先頭に立つが、ゴール前で外からビッグアーサーが交わして優勝。1分6秒7はコースレコード
 ビッグアーサーサクラバクシンオー産駒の牡5歳。デビューから5連勝したものの、ここまで重賞勝ちはなく、重賞初制覇がG1勝利。現在、主役不在のスプリント戦線だが、今は亡き父バクシンオーのような王者となれるか。調べてみたら、ビッグアーサー東日本大震災発生1週間後の2011年3月18日生まれで、その翌月30日にサクラバクシンオーが世を去っていたんだね。

 1着 ビッグアーサー(福永)  2着 ミッキーアイル  3着 アルビアーノ
 4着 アクティブミノル  5着 エイシンブルズアイ