4月30日(土)の筑波山への自転車ツーリングの話のつづき。
昭和62年春に廃線となった筑波鉄道の線路跡の自転車道(つくばりんりんロード)を走って常陸北条駅跡までやってきた。
北条からは筑波山までまっすぐに通じる「つくば道」がある。筑波山は古来、山全体を御神体とする霊峰であり、江戸時代には江戸の北東方向にそびえる鬼門守護の祈願所として徳川幕府に保護された。「つくば道」はそんな筑波山への参詣道として発達したものだ。
北条の集落の中に「つくば道」の入口があり、「これよりつくば道」の道標が立っている。
この「つくば道」の画面左側が2012年5月6日に竜巻が通った場所で、この写真でも道の先にちらりとブルーシートが見えている。
撮影地点の背後には古い旅館があったが、いつのまにか駐車場になっていた。
北条の町なかで見つけた十九夜塔。
つくば道入口にずっと立っている女の子。実は帽子のつばから上の部分がなくなっている。
では、つくば道を走りだす。
すぐに火の見櫓を発見。見かけると、つい写真を撮りたくなる。
低い山を越えると筑波山が間近にそびえる。
この地域の古刹、普門寺。鎌倉末期の創建らしい。
説明書きによれば「伽藍、境内の佇まいは素朴であるが、静寂さが取り得である」とのこと。
境内の絶景ポイント。
道は神郡(かんごおり)集落へと入っていく。
また火の見櫓。つくば市消防団筑波支団第4分団。現役だ。
古くて格式のある家並みが残る神郡。この道は自転車でもいいが、ゆっくり歩くのもいい。
神郡集落を抜けると田園風景が広がり、筑波山はもう目の前である。
山への登りにかかる前に山麓の農村地帯を少し走ってみる。一度探索してみたかった場所なのだ。
明日から5月だし、このような風景の中に鯉のぼりが泳いでいれば最高なのだが、全く見かけなかった。やはり少子高齢化の影響か。
六所大仏。
境内にものすごく長い「郷土の歴史」という碑文があったが、冒頭だけ書きだすと…。
「筑波山は天地開闢の始めより諸神鎮座の聖地であり、庶民が素朴に敬意を払う対象としての霊地である」とのこと。
山頂の二峰は画面左が男体山、右が女体山と呼ばれ、イザナギ、イザナミの男女神が祀られている。
正面の建物は廃屋かと思ったら…。
養鶏場だった。
ヒバリやカエルの声を聞きながら、こんなのどかな風景の中を走るのは至福の時間。キジもあちこちでケンケンと鳴き、ツバメが飛び交っている。上空にはトンビも。
さて、つくば道に戻って、いよいよ登りが始まる。
またまた火の見櫓。半鐘も残っている。
桐の花。
ツバメ。集落のあちこちに巣がある。
山をほぼ一直線で登るので、最初からものすごい急勾配。無駄な抵抗はせず、自転車を押して歩くが、それでもきつい。
汗だくになって登っていると、地元のオジサンが出てきたので「こんにちは」と挨拶すると「寒かっぺ?」と聞かれた。北風が強いから寒いのだろう。
筑波山神社の一の鳥居。宝暦9(1759)年造立とのこと。この鳥居をくぐれば神域だ。
この先、さらに勾配が急になるようだ。歩いてもきつい。
対向車が前から来るというより上から降ってくるように見える。
鳥居の前で振り返る。だいぶ登ってきた。
このつづきはまた明日。
(おまけ)カキツバタ
うちのカキツバタが今日開花。
花弁の付け根に白い紋があるのがカキツバタ。
網目模様なのがアヤメ。
ハナショウブは黄色い紋がある。その原種のノハナショウブも黄色い紋。