第83回日本ダービー

 3歳クラシックの第2戦、東京優駿日本ダービー)が13万人を超える来場者の詰めかけた東京競馬場・芝2400メートルで行われ、2013年生まれのサラブレッド6,913頭の中から選ばれた18頭が世代の頂点をめざした。
 とにかく、今年の3歳は“ダービー馬”の称号に相応しい素晴らしい素質馬が何頭もいて、どの馬が勝つのか、想像するだけでもワクワクドキドキのレースだったが、1番人気には皐月賞を勝ったディーマジェスティ(蛯名)が推された。24回目のダービー騎乗で初制覇をめざす鞍上・蛯名正義への応援の意味もいくらかはあったかもしれない。
 2番人気は皐月賞1番人気で3着のサトノダイヤモンドルメール)、3番人気は皐月賞2着のマカヒキ(川田)。
 レースはマイネルハニーが逃げ、プロフェット、アグネスフォルテらがポツンポツンと続き、有力馬ではエアスピネル武豊)が5番手を追走。その後ろの中団馬群の中にサトノダイヤモンド、その内にマカヒキ、直後にディーマジェスティと有力馬はひしめき合い、リオンディーズデムーロ)は後方。そのまま第4コーナーを回って直線へ。坂を上がって、まずはエアスピネルが先行勢を捉えて先頭に立つが、中団から伸びてきたマカヒキサトノダイヤモンドがあっという間にエアスピネルを交わして、そのまま並んでゴールイン。わずかに先着したマカヒキが見事優勝し、ダービー馬の栄冠を獲得した。皐月賞馬のディーマジェスティも追い込んできたが届かず3着までで2冠はならず、蛯名の悲願達成はまたしてもお預け。4着はエアスピネル、5着がリオンディーズ皐月賞の上位5頭がダービーでも1〜5着に入った。しかも、皐月賞と同様にダービーでも1〜3着がすべてディープインパクトの息子たち。
 マカヒキはこれで5戦4勝2着1回。ちなみにマカヒキとはハワイの収穫祭のことらしい。一族にはハワイ語の名前をもつ馬が多い。母ウィキウィキとか姉ウリウリとか。
 川田将雅はダービー初制覇。もともと、マカヒキもデビューからずっとルメールが乗っていた馬であり、皐月賞ルメールが無敗の2頭のうちサトノダイヤモンド騎乗を選んだために、マカヒキの手綱が川田のもとに回ってきたわけだが、マカヒキ皐月賞に続いてサトノダイヤモンドに先着し、川田がダービージョッキーの仲間入りを果たしたのだった。

 1着 マカヒキ(川田)  2着 サトノダイヤモンド  3着 ディーマジェスティ
 4着 エアスピネル  5着 リオンディーズ

 今回はマカヒキが勝ったけれど、この上位5頭はいずれも強いので、今後も国内だけでなく世界を舞台にライバル物語を紡いでいってほしい。昨年のダービー馬ドゥラメンテらとの対戦も楽しみだ。