滄浪泉園


 日曜日、サイクリングで野川沿いを上流へ向かい、小金井市の滄浪泉園(そうろうせんえん)まで行く。過去に何度か訪れているが、久しぶり。
 滄浪泉園は多摩川が数万年の年月をかけて形成した河岸段丘のうち、武蔵野面と立川面の間の段丘崖、国分寺崖線の地形を利用した庭園。もとは明治・大正期に三井銀行などの役員、外交官、衆議院議員などを歴任した波多野承五郎(雅号・古渓)の別荘で、「滄浪泉園」という名前の由来は波多野の友人、犬養毅によって名づけられたという。「手や足を洗い、口をすすぎ、俗塵に汚れた心を洗い清める、清々と豊かな水の湧き出る泉のある庭」という意味であるらしい。
 その後、別荘の所有者が変わり、周辺の宅地化によって庭園面積も縮小し、マンション建設計画も持ち上がるなど危機にさらされたため、市民の要望で昭和52年に緑地保全地区に指定され、永遠に残されることになった。
 国分寺崖線の段丘上にある門から入り、入園料100円を払って、庭園内を歩きだすと、園路は崖線斜面を下っていき、眼下に湧水の池が見えてくる。


 鬱蒼とした中で、ヒヨドリが賑やか。


 崖下の窪地(ハケ)から数カ所、水が湧きでている。これはメインの湧出口で「東京の名湧水57選」に指定されている。

 地蔵尊。通称「おだんご地蔵」。正徳3(1713)年に建立されたもの。

 ほかにも地蔵尊馬頭観音などがある。
 水琴窟。


 紅葉は美しいに違いないが、時期は11月末から12月上旬か。