アルチョム

 1月19日にドイツ・ベルリンの動物園から多摩動物公園にやってきた雄のアムールトラ「アルチョム」が検疫を終え、2月2日から公開されたので、さっそく見てきた。
 2015年4月23日生まれの1歳9カ月。まだ子どもといえるが、第一印象はデカイ、そして太い。太いのは太っているからか、それとも毛がふさふさしているからか。とにかく立派な体格だ。毛色も濃い。
 そもそもアムールトラはトラの中でも最も北に生息し(中国東北部〜シベリア極東部)、体も大きい。しかし、これまで多摩で見ていた「シズカ」(10歳)や「アイ」(6歳)は雌だからか、そんなに大きいとは思わなかった。上野動物園スマトラトラとあまり違わない印象だった。
 ところが、「アルチョム」は明らかに大きい。全然違う。これぞアムールトラだ。


 しかし、説明書きによれば、まだ精神面では子どもらしい。

 「新しい環境にもなかなか馴染めずビクビクです。怖いお姉さんたちに慣れてくれるのは、まだまだ先になりそうです。もうしばらくは精神面の発達を見守ってあげてください」とのこと。
 確かに、顔つきがまだあどけないように見えなくもない。


ちなみに「アルチョム」(Artjom)というのはロシア人などの男性につける名前で、ロシア極東部にはそういう名前の都市もある。シベリアのトラということで、そういう名前をもらったのだろう。多摩で生まれるトラはその年に活躍したスポーツ選手の名前を付けるという慣習があるが(シズカ、アイ、マオ、ケイスケなど)、それだと2015年生まれのアルチョムに相応しい名前は何だろう。ユヅルか?


 「怖いお姉さん」(?)のシズカ。ベルリンにいるアルチョムの母親より年上だから怖いオバチャンか。


ベルリンの動物園「ティアパーク・ベルリン」のホームページにはアルチョムが日本でシズカやアイと良い友達以上の関係になって、赤ちゃんが生まれる日もそう遠くないでしょう、というようなことが書いてあるが、それが実現する日はいつになるだろう。2020年の金メダリストの名前をもらうような子どもたちもいるかもしれないね。