第78回菊花賞

 3歳クラシックの第3戦、菊花賞京都競馬場・芝3000メートルで行われ、3歳牡馬18頭が出走。超大型台風の接近で活発化した秋雨前線の影響で激しい雨が降り続き、馬場は不良。全馬が未経験の長距離戦がさらにスタミナと何よりも最後まで走る気力を持続させるタフさが要求される一戦となった。
 今年はダービーの1〜3着馬が出走せず、皐月賞、ダービーには出なかった夏の上り馬キセキが1番人気に推されたものの、やはり夏に頭角を現したミッキースワローや2冠制覇を目指す皐月賞アルアインなどもおり、混戦ムード。最悪のコンディションだけに大波乱の予感もあった。
 レースはウインガナドル、アダムバローズがまず飛び出すが、外からマイスタイルが交わして先頭に立ち、逃げる。当然ながらスピードの上がらないスローペース。各馬とも荒れた馬場の内側は避けて、外目を選んで、泥まじりの水飛沫をあげながら走る。マイスタイルが2度目の3コーナーで早くも力尽き、馬群に沈んでいくと、ウインガナドル、アダムバローズが再び先頭に立つが、ダンビュライト、ベストアプローチ、クリンチャーあたりも早めに進出。後続からも有力馬が押し寄せる。4コーナーを回ると、ダンビュライトがまず先頭に立つが、クリンチャーが交わし、さらに内からポポカテペトルが並びかける。ミッキースワローもやってくるが、それらをまとめて交わして1番人気のキセキが先頭に立ち、そのままゴールイン。最後の1冠を手に入れた。走破タイムは3分18秒9。最後の3ハロンが40秒もかかった、騎手も馬も泥まみれの消耗戦だった。
 キセキはルーラーシップ産駒。母の父がディープインパクト。通算成績8戦4勝で、これが重賞初勝利。

 1着 キセキ(M.デムーロ) 2着 クリンチャー  3着 ポポカテペトル
 4着 マイネルヴンシュ  5着 ダンビュライト