第63回有馬記念

 2018年の中央競馬を締めくくる平成最後のグランプリ、第63回有馬記念中山競馬場・芝2500メートルで行われた。予報よりも早く雨が降り出し、発走時には曇り空だったが、馬場はやや重。

 平成の初めの頃は有馬記念といえば、ターフの芝は冬枯れだったが、今は冬でも芝が青々としている。

 4冠牝馬アーモンドアイの出走こそなかったが、豪華なメンバー16頭が集まった今年の有馬記念。1番人気は昨年のダービー馬で、今年の秋の天皇賞を勝ったレイデオロ。しかし、一番の注目は7歳のオジュウチョウサンだったかもしれない。平地でデビュー後、惨敗続きで障害レースに転向し、徐々に才能を開花させ、中山グランドジャンプ3連覇などG1を5勝。最強障害馬の称号を手に入れた後、有馬記念を目標に平地に戻って2連勝。障害戦と合わせて11連勝としてファン投票3位で有馬への出走に漕ぎつけたのだ。そんなオジュウチョウサン武豊騎手を鞍上に迎え、初めて対戦する一線級の馬たちを相手にどんなレースをするのか。枠順の抽選で武騎手が有利な1番枠を引き当てたこともあり、5番人気に推された。

 レースはそのオジュウチョウサンが好スタートを決め、まず先頭に立ったが、前走ジャパンカップで飛ばして逃げ、驚異的なレコード決着を演出した4歳馬キセキが外から交わして、今日も後続を引き離して逃げる。オジュウチョウサンは2番手を追走。

 そのままレースは終盤。最終コーナーを回って逃げ込みを図るキセキ。2番手で頑張るオジュウチョウサンも十分な見せ場を作ったが、後続の有力馬が一気に襲いかかり、その中から中団にいた3番人気の3歳馬ブラストワンピースが抜け出し、レイデオロの追撃をクビ差で封じて先頭ゴールイン。期待されたダービー(2番人気5着)、菊花賞(1番人気4着)で栄冠に届かなかった実力馬がついに待望のG1初制覇を成し遂げた。

 オジュウチョウサンは最後に力尽きて9着だったが、ハイレベルなメンバーの中でいいレースをしたと思う。

 ブラストワンピースはハービンジャー産駒。これで7戦5勝。鞍上の池添謙一騎手はドリームジャーニーオルフェーヴル(2勝)に続き有馬記念歴代最多の4勝目。

 今年の秋のG1戦線は初戦スプリンターズSでファインニードルの川田騎手が勝って以来、ずっと外国人騎手が勝っていたが、有馬でようやく日本人騎手が勝利。今年のG1は今週28日に行われる2歳馬の中距離戦ホープフルステークスが最後。

 

1着ブラストワンピース(池添) 2着レイデオロ 3着シュヴァルグラン

4着ミッキーロケット 5着キセキ