カーリング

 平昌オリンピックも明日が閉会式。昨日までに日本勢は冬季五輪では史上最多の11個のメダル(金3、銀5、銅3)を獲得し、予想以上に盛り上がっている。そんななかで、個人的にはカーリングの観戦に一番時間を費やしている。試合時間が長いうえに、試合数も多いからね。しかも、ほかの競技だと選手はゴーグルやサングラスをかけている場合が多いが、カーリングでは顔も表情もよく見えるし、会話の内容まで丸聞こえだから感情移入しやすい。過去の大会でもあんなに選手の声が聞こえたかな。そんな記憶はないのだけど。試合中に間食するというのも今回初めて知った。最初に見たのは韓国のスキップ、キム・ウンジョン選手が怖い顔して黙々とバナナを食べているシーンだった。日本チームもあんなにいろいろ食べているとは!
 というわけで、世間的にも「カーリング娘」とか「そだね〜」とか「おやつタイム」「もぐもぐタイム」なんていう言葉が飛び交っている。
 カーリングトリノ五輪あたりから面白さが分かってきて、4年毎にハマる、という感じだったのだが、今回は男女とも夜の試合はリアルタイムで全部見た。おかげでルールや試合の進め方なども含めて大体分かったな、と思えるまでになった。と思っていたのだが、昨夜の準決勝、日韓戦(残念でした)を見ていて、僕は今までカーリングの初歩の初歩に気づいていなかったことが新たに判明した。いや、前には知っていて、いつのまにか忘れていたのかもしれないけれど。うん、4年前には知っていたと思う。それは何かというと・・・。
 僕はカーリングをテレビ観戦しながら、なんとなく選手は常に一定の方向に向かってストーンを投じていると思い込んでいたのだ。ちょうどボウリングと同じように。しかし、実際には各エンドで両チームの4人がそれぞれ2投ずつ、計16個のストーンを投げ終えて、エンドが変わると、今度は逆方向のハウス(円)に向かってストーンを投じるのだった。エンドが終わるたびに約20kgもあるというストーンを16個もいちいち元の位置に戻すのは大変だからね。ゲーム全体の向きが逆転するわけだ。それで「エンドが変わる」というのだね。第一エンドで右から左に石を投げれば、第二エンドは左から右に石を投げる。そうやって5往復、10エンドで1試合ということになる。
 そんな当たり前のことに今頃気づいたのか、と笑われそうだ。現場で見ていれば、火を見るより明らかなことだが、テレビだと案外気づいていない人もいるのでは、と思うのだけど。いませんかね?

 カーリング娘の出身地、常呂町(現・北見市)には何度か行ったことがあるし、立派なカーリング場の前も通った記憶があるが、いまの選手たちは常呂に鉄道(旧国鉄湧網線、1987年廃止)が通っていた時代を知らないのかと思うと、ずいぶん時が流れたんだなぁ、と思ってしまう。
 また、鈴木夕湖選手の名前を目にするたびにサロマ湖にちなんでいるのかな、などとも考える。常呂町の栄浦から眺めるサロマ湖は夕日がきれいなのだ。
 今夜の3位決定戦、頑張って、ぜひ銅メダルをとってほしいなぁ。
 学生時代の北海道旅行で、稚内でもう一泊すればカーリングが体験できるという話があったのだが、当時はカーリングという競技をちょっと馬鹿にしていたので、さほど関心がなく。そのままほかの町へ行ってしまった。チャレンジしておけばよかったなぁ。

 (追記)
 カーリング女子、3位決定戦で日本がイギリスを5対3で破って見事に史上初の銅メダルを獲得。昨日の韓国戦と同様、最後の最後まで勝負の行方が分からない接戦。日本は今日のほうが格段に内容が良かった。おめでとうございます。
 もうひとつ。スピードスケートの女子マススタートで、高木菜那選手が金メダルを獲得。パシュートに続いて2個目の金メダル。これで日本勢のメダルは金4、銀5、銅4の合計13個。すごいね。
 
 (おまけ)
 代々木公園に保存されている1964年の東京オリンピックの選手村の建物。オランダ選手団の宿舎だったそうだ。






 代々木公園の土地は江戸時代には大名屋敷、明治時代には代々木練兵場、戦後、米軍に接収されて軍関係者の住宅「ワシントンハイツ」が建設され、返還後、東京オリンピックの選手村になって、その後、公園として一般開放された。選手宿舎はこの一棟だけが保存されている。