銚子電鉄の旅(3)

 千葉県銚子市の旅。犬吠埼灯台を見学して、銚子電鉄犬吠駅までやってきた。

 海辺の観光駅らしい佇まい。


 11時57分発の外川行きがやってきた。


 ほぼ全員が写真を撮っている。

 次が終点で11時59分着。

 外川駅は「ありがとう駅」?

 手書きの時刻表。時代とともに何度も書いて消して、また書いてを繰り返してきたのだろう。



 線路の先に留置されているデハ801。1950年に製造され、愛媛県伊予鉄道で走り、1985年に銚子電鉄にやってきた。2010年に引退。


 車内では写真展を開催中。



 外川駅は海抜25メートル。たいていの観光客は外川に用はないので、乗ってきた電車ですぐ折り返すようだが、僕はまた海をめざして歩き出す。

 犬吠駅周辺は駅の佇まいからいかにも観光地っぽい雰囲気だったが、外川は普通の住宅街。
 ノウゼンカズラとレトロなゴミ箱。あちこちにある。

 坂道を下ると、その先に海が見えてくる。

 外川漁港に出た。

 街路灯で羽を休めるカモメ。

 上空を赤とんぼの群れが飛んでいる。日差しは強いが、それほど暑くない。この日の銚子市の最高気温は24.7℃。
 先ほど犬吠崎から見えた灯台らしき塔をめざす。
 海に沿ってしばらく歩くと、見えてきた。



 漁師町らしい小さな神さま。屋根が自然石。

 しらす干しの作業場があったりして、磯の香を思い切り吸い込みながら歩く。


 灯台(?)は堤防のような場所にあるのかと思ったが、長崎鼻という岬にあるのだった。

 あちこちでサボテンが花を咲かせている。

 誰もいない。

 すぐそばまで行って、ようやく正体が判明した。

 長崎鼻一ノ島照射燈。初点灯は昭和30年4月。沖合にある一ノ島を照らして、その存在を船に知らせるのが役目。


 灯台のように閃光を発するのではなく、不動白光。夜通し同じ場所に光を照射し続けるのだ。
 岬の先端からさらに岩礁が沖へと続いているので、その先の岩を照らすのだろう。

 何やら石造りの遺構のようなものがある。


 行ってみた。何だか分からず。

 長崎鼻から見た犬吠埼

 潮だまり。巻貝がたくさんいる。


 長崎鼻からまた外川に戻る。

 外川にある大杉神社。海に面した高台にある。

 境内には平安後期の歌人で『金葉和歌集』の撰者・源俊頼の歌碑がある。
「磐はしる外川の滝のむすぶ手もしばしはよどむ淀むせもあれ」

 ただし、俊頼と銚子の関係は不明だという。
 外川漁港。

 防波堤の先の赤色灯台

 外川駅に戻ってきた。


 売店でぬれ煎餅などを売っている。

 またこの電車。日中は1時間に1往復程度の運行なので、この編成が行ったり来たりしているのだ。

 13時33分発に乗る。ずいぶん歩いたので、さすがに暑い。ここで気がついたのだが、車内の冷房が発車すると、切れたようだ。あとで調べたら、変電所の容量の都合で、銚子駅外川駅に停車中のみ冷房を使うようだ。走行中に冷房を使用すると消費電力が容量オーバーになってしまうらしい。
 次の犬吠駅でまた下車。暑いけど駅のたい焼き屋でたい焼きを買う。1個100円。東京のたい焼きより安い。もう少し取ってもいいのではないか。120円とか150円とか。

 ぬれ煎餅など土産物を購入。

 次の電車まで1時間近くあるので、また歩き出す。

 もう少しつづく。