敬老の日を前に多摩動物公園で長寿動物の敬老イベントが行われている。
今日はオランウータンのジュリー(53歳)とキュー(49歳)の長寿祝い。
イベント前にジュリーとキューのために用意されたケーキがお客さんに展示される。集まった人間の子どもたちがみんな食べたそうにしている。
スポンジ部分は食パンの内部をくりぬいて、ニンジンで支柱をつくり、おからや味なしのポップコーンが詰めてある。生クリームの代わりにはおからとプレーンヨーグルト。それに季節のフルーツや野菜。
ちょうどスカイウォークから帰ってきたミンピーやアピが上から見下ろしている。
きっとあとで食べる気満々のはずだが、彼らには関係ないので、食べられない。
飼育員さんが第一放飼場にジュリーのためのケーキなどをセッティング。
準備完了後、扉が開くと、養女のチェリア(3歳)をおんぶしたジュリー登場。
真っ先にチェリアがケーキめがけてやってきた。
今日はお客さんの数がものすごく多く、以前はこういう時、チェリアは緊張して、ジュリーの背中から離れなかったものだが、今ではすっかり慣れたようだ。
ジュリーはガラス前に置かれたフルーツ皿へ。
それからケーキのほうへやってきた。昨年9月に母親のジプシーが他界して、国内最高齢となったジュリー。1965年5月6日、多摩動物公園生まれ。
ジュリーは数年前には一時体調を崩していた時期もあったそうだが、チェリアがやってきてから、見違えるほど元気になった。チェリアを立派に育て上げることが彼女にとって一番の生きがいになっているのだろう。
チェリアのためにも、母親のジプシーの長寿記録(62歳)を更新するぐらい長生きしてほしい。
少し遅れて第三放飼場にはキューのためのケーキ。なぜか大漁旗が飾られている。これをバックに座ってくれたら、最高なんだが・・・。
推定1969年生まれのキューはボルネオで密猟され、横浜港で保護されたという経歴を持つ。当時はやせ細って、長くは生きられないかもしれない、と思われたそうだが、1971年に多摩にやってきて、すでに47年。オスのオランウータンとしては国内最高齢になった。
登場すると、ケーキには直行せず、まずはガラス前でアイスなど食べる。
それからケーキのところへやってきたのだが、真っ先に大漁旗を「邪魔だ」と言わんばかりに払い落としてしまった。
まずはりんごジュースを一杯。
それからケーキをのんびりと味わう。
満足そうな表情。