秋分の日。横浜でSTELLA LEE JONESのライブ。
その前にちょこっと横浜を散策。横浜駅から「みなとみらい」地区まで歩く。
横浜のとんび。
港の片隅にある小さな灯台。
秋空。
地下3階のみなとみらい駅。
こういう空間が世界を覆うような未来には来てほしくないものだ、なんてことを考えながら、海面上昇でこのあたりがすっかり水没して、人々が横浜の高台に追い詰められている『ヨコハマ買い出し紀行』(芦奈野ひとし作)のことを思い出す。
さて、ステラのライブ。前回は行けなかったので、僕は1月以来・・・かな? 会場はグランドピアノのあるライブハウスHey-JOE。18時開場、18時半開演。
今日はオープニングアクトとして「神話と構造」が出演。といっても、ステラのリズム隊、ピアノ佐藤真也、ベース佐野俊介、ドラムス谷本朋翼によるトリオ。ループするピアノのフレーズに乗せて3人が突っ走るような演奏はジャズピアノのトリオというよりはロックピアノトリオといった感じ。カッコイイ。
今年5月の初ライブの映像があった。
4曲で終了し、その後、ステラのメンバー全員登場。ヴァイオリン、ギター、アコーディオン、ピアノ、ベース、ドラムス、パーカッションの7人編成の大所帯(パーカッションの相川瞳さんは一応ゲストということになっているが、ほぼレギュラー化)なので、ステージと客席の区別のないフロアの半分ぐらいが演奏区域みたいになっている。ギターは平田氏は客席最前列に並ぶような立ち位置。今日はさらにゲストヴォーカルで夏川葵衣さんの出演が予告されている。
「Salar de Uyuni」からスタートしたライヴは3曲やったところで、平田氏以外のメンバーがいったんステージからさがり、改めて出てきた佐藤氏のピアノと平田氏のギターだけで「The Winter Song」を演奏。これがオリジナルの形態だそうだ。これは良かった。もちろん、バンドヴァージョンも大好きなのだけど。
こんな素敵な演奏&映像が公開されていた。ギターDuoヴァージョン。
さらにゲストの夏川さんが登場して、ピアノとギターをバックに坂本龍一の曲「美貌の青空」を歌う。
これは坂本龍一の「美貌の青空」。
この後、バンドの演奏に戻るが、わりとあっさり前半終了。
「Jean Pierre」が「アメリ」などの作品で知られるフランスの映画監督ジャン=ピエール・ジュネへのオマージュであることを僕は今回初めて知った。
休憩を挟んだ第2部は「Parallel Railways」からスタート。
そして、ステラ史上最大の難曲「Mirror」。レコーディングも大変だったそうだが、ライブでも演奏するたびに大変らしい。でも、美しい曲で、聴いているだけなら耳に心地よい作品だ。曲が終わった後、メンバーが最大の難所を無事突破したという安堵の表情を浮かべているのが分かる。しかし、なんでこんな大変な曲を作るのか、というような曲を作ってしまうのが平田氏であり、それを演奏してしまうのがステラなのだ。
再び夏川さんが登場して、ステラにとって初めてのヴォーカル曲「お墓のバラード」。寺山修司の未発表の詩に曲をつけたものだそうだ。
ジャズ、ロック、クラシック〜現代音楽、映画音楽などさまざまな要素をあわせ持ち、しかもそのどれでもないようなステラの音楽で東京、ペルー、香港、フランス・・・と世界中を旅しているような気分を味わいつつ、今夜も素晴らしい演奏に酔いしれた。
1stの1曲目だった「Synapse」。ライブならではのソロ回しが楽しい。
本編最後は「Ring」、そしてアンコールは「The 15th Warriors」だった。