ゴリラのナナ、安らかに・・・

 上野動物園のゴリラの「ナナ」が20日に亡くなったそうだ。1982年4月4日生まれの36歳。

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(2015年春のナナ)

 ナナはもともとかなり肥満気味で、動物園では数年前からゴリラの餌のあり方を改め、甘い果物などは与えず、野菜や木の葉を中心とするようになったのだが、その後のナナがダイエットの効果だけではないような痩せ方で、ちょっと気にはなっていた。

 ゴリラをよく見ている常連さんの間でもナナの激ヤセぶりを心配する声が上がっていたという。

 元気がなくなり、食欲の低下なども見られるようになったので、昨年の6月に検査をしたところ、子宮に腫瘍が見つかり、多臓器に転移していることが判明したのだった。すでに手術などができる状態ではなく、治療よりも痛みを緩和するなどしてナナに残された日々の生活の質(QOL)に重点を置くことにしたという事実は昨年の夏に公表されていた。

 ナナは群れから離れ、一頭で暮らすようになり、本人が外に出たいようであれば、運動場に出るというような生活を続けていた。

 実際、第二放飼場にいるナナを何度か見たが、岩陰などで横になっていることが多くて、きっと辛いんだろうな、と思い、もうカメラを向けることもしなかった。ほとんどのお客さんはそんなことは知らないから、「あそこで寝てる!」なんてナナの姿を見つけて喜んでいたけれど。

 それから半年余りの闘病(実際はもっと長い闘病)の末、ナナは旅立った。もう少し早く検査をしていれば手遅れになることはなかったのでは、との思いは捨てきれないし、そのような批判の声も上がっているが、病気が判明してから最後までスタッフはナナのために全力を尽くしてくれたのだと思う。悲しいけれど、辛い日々から解放されて、やっと天国で安らぎを得られるのだと考えることにしよう。

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 もともとナナはひとりでいるのが好きで、群れにもあまり馴染んでいないように見えた。そのため、他のメンバーが寝室に戻ってしまっても、ナナだけが放飼場に残っていることが多く、ゴリラを見に来たお客さんの中にはナナの姿だけを見て帰る人も少なくなかった。

 眉がM字形になっているのが特徴の愛嬌のある顔立ちで、みんなにナナちゃんと呼ばれて愛されたゴリラだった。

 ナナの死を知らせる動物園の公式ツイッターにはたくさんの追悼メッセージが寄せられ、ゴリラ舎には献花台も設置されているようだ。

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 長い闘病生活、お疲れ様。生まれ変わってもまたゴリラがいいかな?

 

(野田のコウノトリの情報)

 愛知県田原市で冬を過ごしていた「翔」が移動を開始し、今日は静岡県御殿場市で確認された。

 関東に戻った「きずな」は茨城県神栖市に移動。そこには「ヤマト」もいる。

 「ひかる」は栃木市に移動。

 「未来」は愛媛県今治市で動きなし。

 「りく」は佐賀県伊万里市にいるという情報を最後に新情報なし。