第79回桜花賞とカーリング世界選手権

 3歳牝馬三冠レースの初戦、第79回桜花賞阪神競馬場・芝1600メートルで行われ、18頭が出走した。1番人気は昨年の阪神JFを制した2歳女王で重賞3勝を含む4連勝中のダノンファンタジー。2番人気はそのダノンファンタジー新馬戦で破っているグランアレグリア

 レースは先行争いを制したプールヴィルが引っ張り、グランアレグリアは好位の外、その後ろにダノンファンタジー

 そして4コーナーではもうグランアレグリアが先頭に並びかけ、直線に入ると先頭。後続を突き放し、そのまま1分32秒7の桜花賞レコードで圧勝。

 ダノンファンタジーは離された2着争いには加わったが4着に終わる。

 グランアレグリアディープインパクト産駒。デビュー戦でダノンファンタジーに勝つなど2連勝の後、2歳G1の朝日杯に参戦したが、牡馬を相手に3着に終わり、今日の桜花賞はそれ以来のレース。前哨戦をパスして年明け初戦がぶっつけ本番の桜花賞で優勝というのは史上初。鞍上のルメール騎手は昨年のアーモンドアイに続く桜花賞制覇。

 

1着グランアレグリアルメール) 2着シゲルピンクダイヤ 3着クロノジェネシス

4着ダノンファンタジー 5着ビーチサンバ

 


2019 桜花賞

 さて、連日触れているカナダ・レスブリッジで開催中のカーリング男子世界選手権。予選ラウンド4位で決勝トーナメントに進出した日本代表コンサドーレ(リード阿部晋也、セカンド谷田康真、サード清水徹郎、スキップ松村雄太)は日本時間の本日午前0時から予選5位で平昌五輪金メダルのアメリカ(スキップ:ジョン・シュスター)と対戦。接戦となったが、延長の末、7‐6で勝利。準決勝進出を果たした。

 この試合でちょっと興味深いシーンがあった。

 そもそもカーリングは各チーム4人がそれぞれ2つずつ計8個のストーンを交互に投じ、最終的に約40メートル先のハウスと呼ばれる円の中心により近い位置にストーンを残したチームが得点し、それを10回繰り返して合計点数を競うスポーツだが、オリンピックなどをテレビ観戦していて「うまく相手に1点取らせる」とか「1点取らされる」「1点取らざるを得ない」という表現が頻繁に出てきて、得点を競うゲームなのにこれはどういう意味なのだろうと思っていた。もちろん、今はその意味が分かる。カーリングでは石をハウスの中心に置いても、次に相手の石で弾き出されてしまうということがよくある。だから各エンドの最後に石を投げる後攻が断然有利なのだ。そして、得点したチームが次エンドでは先攻となるので、自分たちが有利な後攻の時は複数得点を狙い、先攻となる次のエンドで相手を1点に抑えて、またその次で後攻を奪い返して複数得点を狙うというのが基本的な戦略となる。

 さて、今日の日本対アメリカの試合。8エンド終了時点で日本が5‐4と1点リードして第9エンドを迎えた。後攻はアメリカである。当然、アメリカは2点以上取って逆転して最終エンドを迎えたいところだ。

 しかし、先攻・日本のスキップ松村がラストストーンを絶妙の位置に置いて、アメリカに2点以上の可能性が消えた。アメリカからすれば、いわゆる1点取らされる状況だ。もちろん1点取れば同点に追いつくわけだが、最終10エンドは日本が有利な後攻となる。もし1点でも取られればアメリカは負けることになる。そこでアメリカのチーム内でも意見が分かれたようだった。9エンドで1点取って追いつくか、あえて1点は取らず、日本に逆に1点与えて2点差にし、それでも有利な後攻で10エンドを迎え、一気に3点以上を奪って逆転勝利を狙うか。

 議論の末にアメリカのスキップ、シュスターの投じたラストストーンはわざとハウスを素通りさせるスルー。要するに日本に1点スチールさせる手を選んだわけだ。ただ、シュスターは投げた直後に悔しげにブラシで氷を叩いていたから、その作戦に納得していなかったと思われる(下の動画にそのシーンあり)。とにかく9エンドに日本に1点が入り、6-4と2点差で10エンド。後攻のアメリカは3点以上を狙う。不利な先攻の日本は2点取られて追いつかれても、延長の11エンドでは有利な後攻となるから勝てる可能性が高い。

 結局、アメリカは10エンドで2点を奪って6‐6の同点に追いついたものの、11エンドで日本が相手に得点を与えない手堅い攻めを見せて、最後は松村の完璧なショットで1点を奪い、7-6で勝利したのだった。

 最終10エンドでの後攻にこだわり、9エンドであえて相手に1点与えて点差を2に広げられたアメリカの選択はどうだったのだろうか。

 日本対アメリカ順位決定戦ハイライト


HIGHLIGHTS: Japan v United States - Pioneer Hi-Bred World Men's Curling Championship 2019

 

 続く準決勝で日本は世界最高のスキップ、ニクラス・エディン率いるスウェーデン(予選1位)と対戦。日本も悪くはなかったが、相手が完璧すぎて2-8で完敗。日本がいいショットを決めても、さらに上回る完璧なショットを決めてくるスウェーデンにはもう感心するしかなかった。

 日本は3位決定戦に回り、準決勝で地元カナダに敗れたスイスと明日、銅メダルをかけて対戦。

 日本は予選リーグでカナダには快勝し、スイスに惜敗したが、地元カナダとやるよりはスイス相手のほうがやりやすいか。どちらでも難敵であることには変わりがないが。

 なんとかメダルをとってほしいなぁ。がんばれ、コンサドーレ

 決勝のスウェーデンとカナダのエディンvsクーイのスキップ対決も楽しみ。