第69回安田記念

 春のマイル王決定戦、安田記念東京競馬場・芝1600メートルで行われ、G1馬7頭を含む16頭が参戦した。注目は3月のドバイターフで圧勝した昨年の年度代表馬アーモンドアイ(牝4歳)がG1レース6連勝なるかどうか。当然、断然の1番人気となった。2番人気は同じ4歳の牡馬で通算7戦6勝、マイルは3戦全勝のダノンプレミアム。アーモンドアイとは初対決で、単勝人気はこの2頭に集中し、まさに一騎打ちの様相となった。ただ、今の東京の高速馬場は内枠有利で、2頭とも外枠に入ったことが波乱を呼ぶ懸念材料ではあった。

 そして、レース。スタートで大外16番の武豊騎乗のロジクライがいきなり内に斜行し、人気2頭を含む12~15番の馬がごちゃついて大きな不利を被る波乱の幕開け。ゲートを出たところでいきなり急ブレーキをかけるような形になった被害馬は内枠から好スタートを切った馬たちに序盤から大きく遅れをとってしまう。

 スタート直後のアクシデントをよそにまず飛び出したグァンチャーレを内から交わして5歳牝馬アエロリットが先頭に立ち、スイスイ逃げる。昨年のこのレース2着馬で、一昨年のNHKマイルを制した実力馬、しかも有利な内枠ということで3番人気に支持されている。

 アエロリット先頭、グァンチャーレ2番手のまま4コーナーを回り、最後の直線。逃げ粘るアエロリットにグァンチャーレが迫る。

 後方馬群にいたアーモンドアイは他の馬に囲まれ、スムーズに抜け出すことができず、ようやく外に出して追い上げるものの届きそうにない。ダノンプレミアムは直線で失速し、ズルズル後退。

 そんななか、先行勢を見ながら好位でレースを進めていた4番人気インディチャンプが前で最後まで粘るアエロリットを追い詰め、最後にとらえて先頭でゴールイン。アエロリットが2年連続の2着。

 アーモンドアイも最後は外から猛然と追い込んできたが、先頭には届かず3着まで。デビュー2戦目からの連勝は7、G1連勝記録は5でストップ。今回はスタート直後のアクシデントの影響が大きかった。4コーナーでの絶望的な位置からアーモンドアイだからこそ届いた3着といえるだろう。

 上位の馬はアーモンドアイ以外はすべて内側の枠の馬ばかりだった。


2019 安田記念

 まさかの16着でゴールインしたダノンプレミアムはゴール後に川田騎手が下馬。故障かと心配したが、その後のJRAの発表では「異常なし」とのこと。とりあえず最悪の事態だけは避けられたようで、一応安心した。

 レース結果にも影響したアクシデントの原因を作ったロジクライ武豊騎手は開催1日(6月8日)の騎乗停止。

 インディチャンプはステイゴールド産駒の牡4歳。これで10戦6勝、重賞は2勝目で、G1は初制覇。鞍上の福永祐一騎手は安田記念2勝目。

 

1着インディチャンプ(福永) 2着アエロリット 3着アーモンドアイ

4着グァンチャーレ 5着サングレーザー