野田のコウノトリ

 このところあまり大きな変化がなかった千葉県野田市で放されたコウノトリ

 先月3日に野に放たれた今年生まれの2羽「レイ」と「カズ」は引き続き、野田市付近に留まっている。

 4年前に放された「翔」と「未来」は茨城県神栖市付近にいる。この2羽はそれぞれ日本各地を飛び回った末に神栖市にやってきて、すっかり定着してしまったようだ。利根川下流域の水郷地帯で暮らしやすいのだろう。

 3年前に放された「きずな」は埼玉県熊谷市付近、「ひかる」は栃木県小山市付近。

 そんななか、2年前に放された「ヤマト」が7月31日に長らく滞在していた茨城県神栖市から野田市の「こうのとりの里」へ戻ってきた。しかも、メスを連れて帰ってきたのだ。このメスは足環の色から昨年、徳島県鳴門市で生まれた愛称「歌」だと思われ、「ヤマト」と「歌」のペアは「こうのとりの里」周辺の田んぼで「カズ」「レイ」と一緒に過ごしているようだ。

 野田市生まれのコウノトリが別の場所で生まれた個体を連れて野田に戻ってくるのは初めて。このまま野田市で繁殖してくれたら、関係者としても「でかした、ヤマト」という思いだろう。

 もう1羽、昨年放鳥の3羽のうち、最後の生き残り「りく」は2月22日に佐賀県伊万里市で確認されて以来、消息不明。朝鮮半島や大陸方面にでも飛んで行ってしまったのだろうか。どこかで無事でいてほしい。