非常に強い台風19号が関東をめざして北上してきており、明日以降、一体どんなことが起こるのか不安でいっぱい、という状況なのだが、吉祥寺のライヴハウス、シルバーエレファントで行われたStella Lee Jonesのライヴに行ってきた。
今回はProgTokyo2019Autumnというシリーズ企画の初日で、ステラの単独公演のはずだったが、明日のライヴが台風により中止となったため、出演予定だったイタリアのバンド、Tacita Intesaが急遽、オープニングアクトとして出演することになったようだ。
会場は満員の盛況。
タチタ・インテザはギター&ヴォーカル、キーボード、ベース、ドラムスの4人組。チラシの紹介文によれば「2012年アレッツォ結成の新星!往年の伊プログをベースに新世紀風味も融合したサウンドが好評な新作“FARO"を引っ提げ待望の来日」ということだ。
今回は撮影自由である。
キーボードの人。
ドラムの人も時々歌う。
イタリアの大御所バンドPFMの「9月の印象」のカバーや第五福竜丸をテーマにした曲などを含め、30分ほど。正式なライヴが中止となってしまった彼らにはギャラは発生しなくなってしまったため、投げ銭方式で、箱が回され、正規のギャラより多いんじゃないか、というほどの金額が集まったようだった。
ステラ用にステージのセッティングを改めて、メンバー登場。今回はベースの佐野さんが都合により出演できず、代役としてアストゥーリアスの大山曜さんがベースを弾くということが予告されていたが、その大山さんが最初に自己紹介を兼ねてマイクを持つ。
急遽、Tacita Intesaの出演が決まったり、台風の接近で今後、交通などに影響が出る可能性もあるということで、今日のライヴは途中休憩なし、MCもなし、だそうだ。リーダー平田さんのグダグダトークはステラのライヴの魅力のひとつでもあるので、ちょっと残念。まぁ、個人的に休憩はなくてもいいかな、と思うが、逆に難度が異様に高い楽曲ばかりを演奏するメンバーが大変そうだ。大山氏も今回だけのために大量の譜面が送られてきて、練習も大変だったようだ。
さて、ギター、ヴァイオリン、アコーディオン、キーボード、ベース、ドラムス、パーカッション&ヴィブラフォンの7人編成、ステラ・リー・ジョーンズのステージは穏やかな「August Showers」からスタート。
AUGUST SHOWERS [ HD ] STELLA LEE JONES
平田聡 ギター
入山ひとみ ヴァイオリン
佐々木絵実 アコーディオン
佐藤真也 キーボード
谷本朋翼 ドラムス
相川瞳 パーカッション、ヴィブラフォン
大山曜 ベース
2曲目は一昔前の香港の九龍城に迷い込んだような「Jigsaw Cats」。ブルース・リーが出てきそう。
ちなみにイベントチラシの彼らの紹介文は「他に比較するバンドが無いと言われる独自のサウンドと音楽性を標榜する男女混合音楽集団」となっている。確かにステラの音楽と似た曲を演奏するグループというのは思い浮かばない。タチタ・インテザも好感の持てるグループではあったが、やっぱりステラは圧倒的に凄い!と思ってしまう。
そして、彼らの音楽を聴いていると、ヨーロッパ、アジア、南米、中東など世界のあちこちを旅しているような気分になる。無国籍音楽というか多国籍音楽というか・・・。
ギターの平田聡さんとパーカッションの相川瞳さん。
ヴァイオリンの入山ひとみさん。
アコーディオンの佐々木絵実さん(とベースの大山氏)。
「Synapse」で流麗なヴィブラフォンのソロを奏でる相川さん。
途中で、「現在、電車はちゃんと動いている、雨も大した降りではない」というメモ平田さんが伝えたぐらいで、本当に休みなし、トークなしで、本編ラストを迎え、ここでようやく平田さんが「14曲連続で聴いていただきました」と喋る。そして、入山さんに言われてセットリストを読み上げるが、数えてみたら15曲連続だった。最大の難曲「Mirror」はやらなかったな。
一度話し始めると、途端にグダグダした雰囲気になっていくのだが、メンバーから制止され、最後は「Tokyo Fantasista」。音楽による世界旅行の終着点は東京というわけだ。そして、アンコールは「The 15th Worriors」だった。
The 15th Warriors STELLA LEE JONES
終演後に撮影タイム。
ドラムの谷本朋翼さんと相川さん。谷本さんの髪の毛は愛猫の毛色を再現している。なので、ずっとこの色分けである。
二人のヒトミさん。
終わったのは22時半。内容が濃すぎるほどの大満足のライヴだったが、明日の台風が心配だ。ひどいことになりませんように。