第15回ヴィクトリアマイル

 5週連続東京G1の第2弾、4歳以上の牝馬による春のマイル女王決定戦、ヴィクトリアマイルが今日も無観客の東京競馬場・芝1600メートルで行われた。2頭が直前で出走取消となり、出走は16頭。注目は何といっても現役最強馬アーモンドアイ。3歳時に牝馬三冠に輝いて以来、牝馬同士の戦いには目もくれず、牡馬相手に実績を残してきたアーモンドアイだったが、昨年秋の天皇賞で勝った後、香港遠征を直前の発熱で取りやめたあたりから流れが変わった。急遽参戦の有馬記念でまさかの9着に敗れて、今年初戦は昨年も勝ったドバイで走る予定だったが、現地入り後に新型コロナの影響でレースが中止になり、帰国。そして、今年初戦に選んだのが、このヴィクトリアマイルだった。有馬大敗後、無駄足に終わった海外遠征をはさんでの久々のレース。そんな不安があっても、アーモンドアイが牝馬相手に負けるはずがないと多くの人が考えたようで、やはり断然の1番人気になった。

 レースはトロワゼトワルが引っ張る速い流れ。アーモンドアイも好スタートを切ると、先行勢を行かせて4、5番手あたりにつけ、楽に追走。

 そして、4番手で最後の直線に入ると、前の馬を楽に交わして先頭に立ち、後続をぶっちぎる。鞍上のルメール騎手も後ろを振り返る余裕で、一度もムチを入れずに最後は軽く流してゴール。ほかの馬が必死に走っているのに、軽く走っているように見えるアーモンドアイとは差が開くばかりという、まさに1頭だけ異次元の強さを見せつけての楽勝だった。

 4馬身差の2着にはサウンドキアラ、3着にはこのレース連覇を狙ったノームコア。


2020 ヴィクトリアマイル

 アーモンドアイはロードカナロア産駒の牝5歳。これで通算12戦9勝。国内外のG1、最多タイの7勝目。すでに歴史的名馬である。

 

1着アーモンドアイ(ルメール) 2着サウンドキアラ 3着ノームコア

4着トロワゼトワル 5着ダノンファンタジー