第81回オークス

 3歳牝馬クラシックの第2戦、優駿牝馬オークスが初夏の陽気となった無観客の東京競馬場・芝2400メートルで行われ、18頭が参戦。桜花賞を圧倒的な強さで制し、63年ぶりに無敗のまま2冠達成をめざすデアリングタクトが断然の1番人気となった。

 レースは予想通りスマイルカナが逃げる展開。デアリングタクトはまずまず好スタートを切ったものの、最初の1コーナー付近で少しでも有利な内側を狙う位置取り争いに巻き込まれ、進路が狭くなるなどして、馬が頭を上げており、明らかにスムーズな走りではない。ほかの馬との接触もあったようだ。2400という未経験の距離だけに少し不安な序盤戦だったが、鞍上・松山弘平が馬を少しさげることで、ようやく落ち着いたか。あとは馬群の後ろ寄りのインを追走。

 そして、4コーナー手前で逃げるスマイルカナに早めに仕掛けた後続馬が一気に迫り、最後の直線。失速するスマイルカナにかわって好位からクラヴァシュドールやウインマイティーが先頭を争い、さらにずっと2番手を追走していたウインマリリンも最内から伸びてくる。デアリングタクトは後方で置き去りにされた馬群に包まれ、大ピンチかと思われたが、わずかな隙を見つけると、一瞬で馬群を割って抜け出し、そこから鮮やかな末脚で追い上げ、先頭争いをしていた馬たちをゴール寸前で差し切って優勝。見事に二冠達成。このまま順調に夏を越せば、三冠へも視界は良好。あとは夏競馬でどんな新興勢力が台頭するか、だろう。そして、アーモンドアイなど年上の馬たちとの対戦も楽しみになった。

 半馬身差の2着には7番人気のウインマリリン。息子・横山武史の騎乗停止で乗り替わった父・横山典弘の好騎乗が光った。


2020 オークス

 デアリングタクトは新種牡馬エピファネイアの娘。これで4戦4勝。G1 は2勝目。

 

1着デアリングタクト(松山) 2着ウインマリリン 3着ウインマイティー

4着リアアメリア 5着マジックキャッスル