第66回有馬記念

 中央競馬の1年を締めくくるグランプリ、有馬記念中山競馬場・芝2500メートルで行われ、16頭が出走した。

 1番人気は今年の皐月賞天皇賞(秋)を制した3歳馬エフフォーリア。2番人気は今年の宝塚記念を制し、グランプリ4連覇がかかる5歳牝馬クロノジェネシス。これが引退レースである。

 レースは予想通り、パンサラッサがまず飛び出し、速めのペースで引っ張る。2番手に菊花賞を逃げ切ったタイトルホルダーが続く。クロノジェネシスは中団馬群の中を進み、その後ろからエフフォーリア。

 そして、向こう正面でエフフォーリアがクロノジェネシスに外から並びかけ、さらに2度目の3コーナーを過ぎると、クロノの機先を制するように先に動いて前に出る。

 先頭では失速するパンサラッサを交わしてタイトルホルダーが前に出るが、その後ろからディープボンドが迫り、さらにエフフォーリアも追い込んでくる。少し遅れてクロノジェネシスやステラヴェローチェも追ってくるが、競り合いを制したエフフォーリアが抜け出し、先頭でゴールイン。2着にディープボンド。クロノジェネシスは前に届かず3着まで。


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 エフフォーリアはエピファネイア産駒。通算7戦6勝。G1は3勝目。唯一の敗戦はダービーでの僅差2着だが、天皇賞でコントレイルやグランアレグリアを撃破し、有馬でクロノジェネシスを破ったことで、年度代表馬の座は当確だろうし、名実ともに現役最強馬として来年を迎えることになる。

 

1着エフフォーリア(横山武) 2着ディープボンド 3着クロノジェネシス

4着ステラヴェローチェ 5着タイトルホルダー

 

 ところで、エフフォーリアを頂点に導いた鞍上・横山武史騎手のレース後のインタビューはいつもの弾けるような笑顔の会見とは違っていた。前日のレースでエフフォーリアの弟、ヴァンガーズハートに騎乗し、断然の1番人気に推されながら、勝利を確信したゴール寸前で追い込んできた馬に抜かれてハナ差の2着に終わったレースが「油断騎乗」と見なされ、制裁の対象となったためだ(1月15・16日の2日間騎乗停止)。インタビューの最後も謝罪の言葉で締めくくっていたが、レース直後、ヘルメットを取ってスタンドに深々と頭を下げていたのも、そのせいだったか。