第165回天皇賞(春)

 古馬の長距離王決定戦、春の天皇賞京都競馬場改修工事中のため、昨年に続いて阪神競馬場・芝3200メートルで行われ、長距離を得意とする18頭が参戦した。午前中は雨が降っていたようだが、レース時には晴れ。ただし、馬場はやや重。

 1番人気は前哨戦の阪神大賞典を勝ち、G1初制覇をめざすディープボンド。2番人気は昨年の菊花賞を逃げ切ったタイトルホルダー。この2頭が2強といえた。

 レースはいきなりスタートでシルヴァーソニックの川田騎手が落馬する波乱の幕開け。騎手不在のまま走る馬に目を奪われているうちに、いつの間にかという感じでタイトルホルダーが外から先頭に立ち、予想通り後続を離して逃げる。ディープボンドも4番手あたりにつける。

 タイトルホルダーはレース中盤はペースを落とし、後続との差が縮まったが、終盤には再び加速。最後の直線では後続を突き放して、菊花賞の再現のようなレースぶりで圧勝。カラ馬シルヴァーソニックをはさんで7馬身差の2着にディープボンド。2強のワンツーではあったが、タイトルホルダーの強さだけが際立つ内容だった。ディープボンドはこのレース2年連続の2着で、またも悲願のG1勝利ならず。


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 タイトルホルダーはドゥラメンテ産駒の牡4歳。通算11戦5勝で、G1は2勝目。重賞4勝目。

 

 ところで、スタート直後に落馬競走中止となったシルヴァーソニック。そのままレースを完走し、最後は1頭だけタイトルホルダーに迫る健闘(?)を見せたが、ゴール後にテレビ画面に映った姿は馬場の外柵の向こうで転倒して動けなくなっている姿だった。勢い余って柵を乗り越え、ひどい怪我をしたのではないか、と最悪の事態も心をよぎり、大変心配したが、JRAの発表によれば落馬した川田騎手と人馬ともに異状なしとのこと。馬は自分で起き上がり、普通に歩いて馬運車に乗り込み、検査を受けに行ったそうだ。とりあえず安心した。

 

1着タイトルホルダー(横山和) 2着ディープボンド 3着テーオーロイヤル

4着ヒートオンビート 5着アイアンバローズ